我が国が列強の植民地化を防ぐとともに、不平等条約を改正するための目的の一つに、我が国が「立憲国家」、すなわち近代憲法を有して議会政治を行う国家となることがありました。しかし、封建社会の幕府政治から明治新政府に移行してからわずか数年しか経っていない現状では、近代憲法の制定はおろか、議会政治の実現など出来ようはずがありません。
さらに付け加えれば、憲法の制定に関しては、政府が主導となって実現することは決して不可能ではありませんし、実際に「大日本帝国憲法(=明治憲法)」の発布というかたちで達成されましたが、議会政治に至っては、議会側、すなわち国民の代表から選ばれる議員の存在が不可欠であると同時に、民間から議員を誕生させるだけの力量、あるいは民度の高さも要求されます。
従来の封建社会の延長線上ともいえる「藩閥(はんばつ)政治」が、当時の政府で幅を利かせていた真の理由も、実はここにあるのです。民間から議員を誕生させるだけの民度が国民に備わっていない以上、他にどんな手段があるというのでしょうか。
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