懸命の治療も虚(むな)しく、祖母は同月29日に満97歳で大往生しました。その後、31日までに野辺の送りを済ませましたが、大阪講演は翌2月1日に迫っていました。
「いつまでも悲しみに打ちひしがれていては祖母に叱られる」。そう思った自分は、教師のプロフェッショナルとして、いつもと同じように堂々と講演を務めようと決意しましたが、そんな日の内容が、よりによって「死のドラマ」でもある西郷隆盛。これも運命かな、と思いました。
お蔭様で講演は無事に終了しましたが、関係者の証言によると、これまでに聞いたこともないような、鬼気迫る語りぶりであったらしく、また2月の極寒期にもかかわらず、会場内の余りもの熱気に、冷房を入れたそうです。
後になって、当時の様子をSNSで振り返ると、講演中の私は笑顔すら浮かべていました。このことをきっかけに、私は今までより大きく成長できたような思いがしますが、それこそが、祖母からの最後の贈り物だったのかもしれません。
(※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」が始まりました。詳しくは下記のバナーをご覧ください)
※平成28年4月13日(水)創刊!無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。