平氏を滅亡させることができたのは、確かに義経の類(たぐい)まれな戦術によるものであり、その功績は大きいものがありました。しかし、頼朝は平氏滅亡を喜ぶどころか、義経による「信じがたい失策」に対して激怒しました。なぜならば、義経が天皇であることを証明する大事な「三種の神器」のすべてを取り戻すことができなかったからです。
頼朝個人としては、父の源義朝の仇(かたき)である平氏が滅亡して嬉しくないはずがありません。しかし、彼は自分の利害よりも、武士全体の利益を優先し、そのための「戦略(=戦争に勝つための総合的あるいは長期的な計略のこと)」を考える政治家でもありました。
関東で力をつけて、平氏を滅亡寸前にまで追い込んだ頼朝でしたが、それはあくまで軍事力のみの結果であり、武士に土地の個人所有を認めさせるといった「武士のための政治」を行うには力不足でした。
そこで頼朝は、当時は形式化してはいたものの、荘園などを監視する立場である朝廷との交渉によって「武士のための政治」を実現させようと考えており、その際に切り札となるのが「三種の神器」だったのです。
※下記の映像は1月23日までの掲載分をまとめたものです。
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ぴーち こんばんは!
確かに
相手をやり込めて
死に追いやるだけが手柄では有りませんものね。
本当の意味での勝利は
その後の世の中をいかに
良い方向へ押し進めていくことが
出来るかも含めての
政策でなければいけないと
思います。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりです。
戦略の重要性を、頼朝は良く分かっていたのですが、義経は…。
道民 黒田先生、最近になって初めからずっと読んでいる道民です。
タイトルが「その1」ではなく「ぞの1」になっていますが、
何か意味があるのでしょうか。
あと日本史は黒田先生のブログでずいぶんスッキリとわかってきましたが、
世界史をうまく覚える方法はないでしょうか。
道民さんへ
黒田裕樹 当方のケアレスミスです。たびたび申し訳ございません。
ご指摘くださり、誠に有難うございます。修正いたしましたのでご確認ください。
世界史に関しては、以下のブログが詳しく紹介しております。
「奈津子の徒然雑記帳」
http://415100.blog50.fc2.com/
確かに
相手をやり込めて
死に追いやるだけが手柄では有りませんものね。
本当の意味での勝利は
その後の世の中をいかに
良い方向へ押し進めていくことが
出来るかも含めての
政策でなければいけないと
思います。
戦略の重要性を、頼朝は良く分かっていたのですが、義経は…。
タイトルが「その1」ではなく「ぞの1」になっていますが、
何か意味があるのでしょうか。
あと日本史は黒田先生のブログでずいぶんスッキリとわかってきましたが、
世界史をうまく覚える方法はないでしょうか。
ご指摘くださり、誠に有難うございます。修正いたしましたのでご確認ください。
世界史に関しては、以下のブログが詳しく紹介しております。
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