生類憐みの令は、そういう名前の法令が出されたわけではありません。約20年の間に少しずつ増えてゆき、最終的に135個の法令が出されたものを総称して名付けられたものです。また、その種類は広い範囲にわたっており、犬に関するものは33件と、全体の約4分の1に過ぎません。
数多くの法令の中には、鳥類などを口にしてはいけないという食卓での禁令など、次第にエスカレートしたものが多かったのは事実です。しかし、法令の底辺にあったのは、まぎれもなく「動物愛護」から「人命尊重」へとつながる確固たる綱吉の意思でした。
例えば犬に関する様々な法令には、先述した野犬化による病原菌のまき散らしを防ぐとともに、人々を襲うようになる前に保護しようという考えがありました。同じく先述した病気になった牛馬をきちんと療養させることや、捨て子の禁止、あるいは人が旅先で病気になっても旅籠(はたご)で面倒をみることなども義務付けています。
中野の巨大な犬小屋ですが、これは「いくら禁令を出しても捨て犬などの行為が後を絶たないため、幕府でまとめて保護をする」という考えから造られた「野犬化防止施設」でもありました。しかも犬小屋の運営費用は幕府が出す一方で、エサ代は飼い主から出させているのです。
飼っていた犬や猫を捨ててしまうことで野生化し、問題になることは現代でもありますね。それを公費で養う一方で、飼い主にも相応の負担をさせているのですから、綱吉の考え方は結果として現代よりもよっぽど進んでいるといえると思います。




いつも有難うございます。
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JJSG ものすごいたくさん、細かい法律を作ったんですね。
細か過ぎて、理解されなかったのでは、とも思いますが、根底には、ちゃんと考えがあったのですね。
とはいえ、やっぱり細か過ぎて、理解されなかったんだろうなぁ。。。
政治、法律とは難しいものです。
JJSGさんへ
黒田裕樹 135もある法令は、確かに日常生活の細かいことまで書いてありました。
自らの理想の実現という大きな理想はありましたが、仰るとおり細か過ぎるがゆえに、趣旨が理解されぬままに時間だけがむなしく過ぎていったところが見受けられます。
政治や法律の難しさや限界といったところでしょうか。ただ、長年続いた法令によって、確実に変化していったものもあったのです。
h.hamauzu こんばんは!
天下の悪法のように習った一人です。
黒田先生がここで書いてあるようなことは、
学校の先生方は、もちろんご存知なんでしょうね…?
教えることが多すぎて、深く掘り下げることが出来ないのも有るでしょうが、
果たしてそれだけでしょうか…?
いろいろと勘ぐりたくなりますね…
h.hamauzuさんへ
黒田裕樹 他の先生方にはそれぞれの教え方もありますので、私がとやかく言うべき立場ではないのですが、仰るとおり教えることが多くなると、どうしても表面上のみを取り上げてしまうことになりがちな点があると思います。
浜渦さんのように「勘ぐられない」ように、普段からの努力は欠かさないようにすべきではあると思います(もちろん私を含めて)。
細か過ぎて、理解されなかったのでは、とも思いますが、根底には、ちゃんと考えがあったのですね。
とはいえ、やっぱり細か過ぎて、理解されなかったんだろうなぁ。。。
政治、法律とは難しいものです。
自らの理想の実現という大きな理想はありましたが、仰るとおり細か過ぎるがゆえに、趣旨が理解されぬままに時間だけがむなしく過ぎていったところが見受けられます。
政治や法律の難しさや限界といったところでしょうか。ただ、長年続いた法令によって、確実に変化していったものもあったのです。
天下の悪法のように習った一人です。
黒田先生がここで書いてあるようなことは、
学校の先生方は、もちろんご存知なんでしょうね…?
教えることが多すぎて、深く掘り下げることが出来ないのも有るでしょうが、
果たしてそれだけでしょうか…?
いろいろと勘ぐりたくなりますね…
浜渦さんのように「勘ぐられない」ように、普段からの努力は欠かさないようにすべきではあると思います(もちろん私を含めて)。