このため、アメリカは1899(明治32)年に、国務長官のジョン=ヘイが「門戸開放・機会均等」を列強に通告しました。国務長官の宣言の背景には、中国分割に関して「自国の分も残してほしい」というアメリカの本音がうかがえます。
アメリカの思惑をよそに、清の生体解剖は着々と進んでいきましたが、もっとも露骨に動いたのは、我が国と国境を接するロシアでした。ロシアは1896(明治29)年に清と対日軍事同盟を結び、シベリア鉄道を清の領土を挟(はさ)むように延長して、ウラジオストックへ至る東清(とうしん)鉄道の敷設権を得ました。
また、ロシアは清が我が国から返還を受けた遼東半島の旅順(りょじゅん)・大連(だいれん)の港をも租借しましたが、これはロシアが間接的に我が国の領土を奪ったことを意味していました。さらにロシアは、東清鉄道から大連湾までの鉄道敷設権をも獲得しましたが、これらによって、ロシアが鉄道開通後に自国と満州や遼東半島とを自由自在に通行できるようになることから、結果的に満州や遼東半島全体がロシアの支配を受けることを意味していました。
こうしたロシアの圧迫に悩まされた我が国は、明治37(1904)年に日露戦争を戦い、苦難の末に勝利をつかむことができたのですが、このことが、皮肉にも我が国とアメリカの関係の悪化をもたらすことになってしまったのです。
※下記の映像は4月10日までの掲載分をまとめたものです。





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ぴーち こんばんは!
ロシアの様に確かに広い国土を有する事は
自国にとっては良いことなのでしょうけれど、
私達が住む持ち家などもそうですが、余りにも大きな家を購入した事で、その後の維持費に手間取り
それだけに見合う様な収入も維持していかなければなりませんので、大変だと思います。
なんでも身の丈に合った広さだけ保有できれば良いのでは無いかと存じます。
結局は管理不足になり疎かになれば、他国にも迷惑を掛けることにもなることでしょうし。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 ぴーちさんのお考えは、おそらくは平均的な日本人の思想そのものだと拝察します。
ところが、他国を侵略することが当然の国家からすると、膨張主義が国是になってしまうんですよね…。
ロシアの様に確かに広い国土を有する事は
自国にとっては良いことなのでしょうけれど、
私達が住む持ち家などもそうですが、余りにも大きな家を購入した事で、その後の維持費に手間取り
それだけに見合う様な収入も維持していかなければなりませんので、大変だと思います。
なんでも身の丈に合った広さだけ保有できれば良いのでは無いかと存じます。
結局は管理不足になり疎かになれば、他国にも迷惑を掛けることにもなることでしょうし。
ところが、他国を侵略することが当然の国家からすると、膨張主義が国是になってしまうんですよね…。