松本大臣をはじめとする数々の抵抗もむなしく、マッカーサー草案は、一院制を二院制にすることや、土地その他の天然資源の国有化を削除することなどの細かい変更があったのみで、ほぼ原案どおり閣議で決定され、帝国議会における審議が始まりましたが、この審議の内容は毎日のように英文に訳されてGHQの管理下に置かれ、GHQの了解なしにはどのような修正もできないという有様でした。
また、憲法改正における重要な審議である憲法改正特別小委員会は非公開とされ、すべてがGHQの思惑どおりに進められたうえで、若干の変更を加えたのみで衆議院と貴族院で相次いで可決され、昭和天皇のご裁可を経て、昭和21年11月3日に日本国憲法が公布されるとともに、翌昭和22(1947)年5月3日に施行(しこう)されました。この日は「憲法記念日」として国民の祝日となっています。
新しく制定された日本国憲法が、マッカーサー草案を下敷きとしていることは、GHQによって機密事項とされ、我が国が独立を回復する昭和27(1952)年まで一切公表されませんでした。国民が全くあずかり知らないところで新しい憲法が誕生していただけでなく、そこには本来許されるべき日本人による自由な憲法批判が全く認められない、という閉鎖性が秘められていたのです。
五箇条の御誓文を国政の指針と定めた後、我が国の古典などを参考にしたうえで、約8年近くの長い歳月をかけて完成させた明治憲法に対して、素人が一週間で書き上げた、しかも外国製の憲法を、国会での審議とは名ばかりで、GHQによって無理やり制定させられた日本国憲法。憲法に対する我が国での自由な議論は大いになされるべきですが、少なくとも両憲法の成立過程を十分に理解したうえで進めるべきではないでしょうか。
では、このような経緯でつくられた日本国憲法の内容について、私たちはどのように学校で教えられているのでしょうか。詳しくは次回の「公民授業」並びに講演で紹介させていただきたいと思います。
※下記の映像は3月26日までの掲載分をまとめたものです。
(※第2回公民授業の内容はこれで終了です。次回[3月27日]からは通常の更新[=通史完結にあたって]に戻ります))





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
まずは6周年おめでとうございます!
黒田さんのブログに初めてお邪魔させて頂いてから4年目程になりますでしょうか?
これまで本当に沢山の学びを経験させて頂き
日々感謝致しておりますm(_ _)m
これからもまた宜しくお願いいたします。
本文の件ですが、
今回は日本国憲法についてのお話でしたが、
敗戦国になってしまった国の悔しさ、苦しさを
日本もこうして味わう羽目になってしまいましたが、敗戦国の酷さを及ばずながら、時々耳にしたりしますが、どの国も惨めな戦後を辿っているのだなとしみじみ思います。日本は国を分断されたりしなかっただけまだましだと言われる人も居ますが、
それでも、戦後70年を迎えた現在でもアメリカの
言う事に従わなければならない風潮には悔しさを覚える事が多いのがなんとも遺憾に思います。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 お祝いのお言葉有難うございます。
ぴーちさんは拙ブログ誕生間もない時期からずっとお付き合いくださってますよ(^ω^)
仰るとおり、戦後から70年も経つのですから、一日も早い自主憲法の制定が望まれますよね。
完全にブラックジョーク
青田です。 黒田先生
青田です。
この無理やり押しつけられた日本国憲法は
完全にブラックジョークだと思うのは
日本国憲法21条で、『検閲の禁止』を規定していますが、GHQへの批判、東京裁判の検閲をGHQは、しまくっています。
さらに、日本国憲法39条で、『事後法・遡及処罰の禁止』を規定しているのに
東京裁判自体、戦犯を事後法で、裁いています。
日本国憲法は、東京裁判の最中に施行されました。
全く、意味がわかりません。
青田さんへ
黒田裕樹 確かにブラックジョークですね。
だからこそ、憲法改正あるいは自主憲法制定が必要なのではないでしょうか。
まずは6周年おめでとうございます!
黒田さんのブログに初めてお邪魔させて頂いてから4年目程になりますでしょうか?
これまで本当に沢山の学びを経験させて頂き
日々感謝致しておりますm(_ _)m
これからもまた宜しくお願いいたします。
本文の件ですが、
今回は日本国憲法についてのお話でしたが、
敗戦国になってしまった国の悔しさ、苦しさを
日本もこうして味わう羽目になってしまいましたが、敗戦国の酷さを及ばずながら、時々耳にしたりしますが、どの国も惨めな戦後を辿っているのだなとしみじみ思います。日本は国を分断されたりしなかっただけまだましだと言われる人も居ますが、
それでも、戦後70年を迎えた現在でもアメリカの
言う事に従わなければならない風潮には悔しさを覚える事が多いのがなんとも遺憾に思います。
ぴーちさんは拙ブログ誕生間もない時期からずっとお付き合いくださってますよ(^ω^)
仰るとおり、戦後から70年も経つのですから、一日も早い自主憲法の制定が望まれますよね。
青田です。
この無理やり押しつけられた日本国憲法は
完全にブラックジョークだと思うのは
日本国憲法21条で、『検閲の禁止』を規定していますが、GHQへの批判、東京裁判の検閲をGHQは、しまくっています。
さらに、日本国憲法39条で、『事後法・遡及処罰の禁止』を規定しているのに
東京裁判自体、戦犯を事後法で、裁いています。
日本国憲法は、東京裁判の最中に施行されました。
全く、意味がわかりません。
だからこそ、憲法改正あるいは自主憲法制定が必要なのではないでしょうか。