第11条の正確な内容は「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに国内外の他の連合国戦争犯罪法廷の『諸判決(しょはんけつ)』を受諾(じゅだく)する」ですが、当時の外務省によって「諸判決」が「裁判」と誤訳(ごやく)されてしまったのです。
「日本は極東国際軍事裁判、すなわち『東京裁判』の『諸判決』を受けいれた」という条約の正式な英文は「Japan accepted judgments of International Military Tribunal for the Far East.」ですが、これが「東京裁判」の「判決」を受けいれたという英語であれば、「Japan accepted judgment of International Military Tribunal for the Far East.」と言う表記となります。
この場合なら、相当無理をして「単数形」の「judgment」を「裁判」と訳し、「日本は極東軍事法廷の裁判を受けいれた」と全体を翻訳(ほんやく)することは有り得るかもしれませんが、正式な条文では、そのような「誤解」を無くするために、英語の正文では「複数形」たる「judgments」として、これが「裁判」ではなく「諸判決」であることを明確にする意図(いと)があったと考えられます。
さらに付け加えれば、これが「日本は極東軍事裁判を受けいれた」となると、英語の直訳では「Japan accepted International Military Tribunal for the Far East.」という表記となるわけで、「judgments of」がなくなります。従って、条文を『裁判』と訳したのは明らかに「誤訳」であり、条約を調印した最初の段階から、我が国に贖罪意識(しょくざいいしき、「贖罪」とは犯した罪をつぐなうこと)を植えつけるといったような、何らかの意図や思惑(おもわく)があったのではとも疑われるのです。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





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ぴーち こんにちは!
確かに「複数形」と「単数形」では
意味が変わってしまいますものね。
それと一つ確認させていただきますが、
贖罪意識を植え付けたいと願っていたのは
アメリカ側の意識と言う事なのでしょうか?
ぴーちさんへ
黒田裕樹
仰るとおり、単数形と複数形とをごちゃ混ぜにする解釈は無理がありすぎますが、こうなった背景には、アメリカのみならず、「日本を悪者にしておきたい」という勢力が国内にも当時からはびこっていたとも考えられますね。
オバrev こういう非常に重要な条文は、翻訳者の意図が入る日本語訳ではなく、原文のままのほうがベターな気がしますが、英語圏ではに日本では難しいんですかね?
いずれにしても、一つ一つを原簿に立ち返って見直すという作業が正しい歴史認識には必要じゃないでしょうか。
オバrevさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、原文をそのまま理解できればよいのですが、日本語圏ではやはり難しいところがありますので、外国由来の文章は、常に原文とともに見直すという作業が必要だと思います。
確かに「複数形」と「単数形」では
意味が変わってしまいますものね。
それと一つ確認させていただきますが、
贖罪意識を植え付けたいと願っていたのは
アメリカ側の意識と言う事なのでしょうか?
仰るとおり、単数形と複数形とをごちゃ混ぜにする解釈は無理がありすぎますが、こうなった背景には、アメリカのみならず、「日本を悪者にしておきたい」という勢力が国内にも当時からはびこっていたとも考えられますね。
いずれにしても、一つ一つを原簿に立ち返って見直すという作業が正しい歴史認識には必要じゃないでしょうか。