「参謀長はヒットラーのお先棒(さきぼう)を担(かつ)いで弱い者いじめをすることが正しいと思われますか?」
東条参謀長は樋口の主張が尤(もっと)もであると認め、軍司令部内での樋口に対する批判は下火(したび)となり、ドイツの抗議は不問(ふもん)に付されて事件は鎮静化(ちんせいか)しましたが、その背景には「ユダヤ人を排斥(はいせき)することは我が国が長年国是(こくぜ)としてきた人種平等の精神と合致(がっち)しない」という一面もありました。
かくして、昭和15(1940)年に約6,000人の「命のビザ」を発行し続けた杉原千畝より2年も前に自己の地位をかけて「誇りある決断」を下し、結果として多くのユダヤ人難民を救った樋口の名前が歴史に刻(きざ)まれることになったのです。
なお、ユダヤのために貢献した人々を顕彰(けんしょう)するゴールデン・ブックに樋口の名が記されていますが、ゴールデン・ブックの本来の役割は「ユダヤ民族基金に対する献金記録簿(けんきんきろくぼ)」であり、先述した極東ユダヤ人協会が樋口に感謝を示す意味で、後日に彼の名前で献金を施(ほどこ)したということです。





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ぴーち こんばんは!
確かに日本人の心には人種平等の精神は、少なくとも外国の人種差別の度合いから比べれば、相当高いと思いますね。
それにしても、樋口氏のこうした功績が日本人に広く知られていない事が残念に思えてなりませんね。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 確かに日本人の心には人種平等の精神は、少なくとも外国の人種差別の度合いから比べれば、相当高いと思いますね。
> それにしても、樋口氏のこうした功績が日本人に広く知られていない事が残念に思えてなりませんね。
黄色人種が基本の日本人が人種差別に否定的なのはある意味当然かもしれません。
それだけに、仰るとおり樋口将軍の功績が知られていないことは残念です。
確かに日本人の心には人種平等の精神は、少なくとも外国の人種差別の度合いから比べれば、相当高いと思いますね。
それにしても、樋口氏のこうした功績が日本人に広く知られていない事が残念に思えてなりませんね。
> それにしても、樋口氏のこうした功績が日本人に広く知られていない事が残念に思えてなりませんね。
黄色人種が基本の日本人が人種差別に否定的なのはある意味当然かもしれません。
それだけに、仰るとおり樋口将軍の功績が知られていないことは残念です。