俗説として一般的に有名なのは、「称徳天皇は、始めのうちは藤原仲麻呂と愛人関係にあったが、自分の病を治してくれた道鏡とも関係を持つようになり、振られた仲麻呂が腹いせに乱を起こしたが滅ぼされ、その後は称徳天皇の愛を一身に受けた道鏡が天皇になろうという野心を持った」というものですが、私はこのような話は「有り得ない」と考えます。
まず、称徳天皇と藤原仲麻呂の関係ですが、これまでに書いたように、両者はむしろ対立関係にありました。藤原仲麻呂は光明皇太后の信任を得ることによって、称徳天皇を差し置いて政治の実権を独占していたからです。ついには無謀ともいえる新羅征討まで試みるようになった仲麻呂に対し、亡国の危機を救うために称徳天皇が立ち上がられて政界に復帰した、というのが本来の姿です。
それと、称徳天皇と道鏡の関係についても当時の「常識」として有り得ません。なぜそのように断定できるのでしょうか?
当時の我が国の仏教で不足していたのは 「戒律」であり、それを補うために唐の高僧であった鑑真が来日したのは以前に書いたとおりですが、様々な戒律の中でもっとも重要なもののひとつに「異性と通じてはならない」というのがあります。




いつも有難うございます。
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オバrev な、なんとそんな噂話があったんですか(((゚д゚;)))マジデスカ
孝謙天皇は聖武天皇の娘で、大仏が完成して開眼供養をやった天皇ですよね。
女性で天皇に即位、それも二度即位するというと、女性とはいえかなりのやり手だったんだろうと推測します。
藤原仲麻呂の愛人はあり得んでしょう。むしろ敵だし、孝謙天皇の母、藤原系の光明皇太后のお気に入りですよね?
ただ道鏡に関しては考えられなくもないと思います。
しかし道鏡は戒律を破るようなことはしないでしょうから、称徳天皇の一方的な思いだったんではないでしょうか。
また、道鏡に天皇になるという野心があったのかどうかも疑わしいと思います。
普通に考えたら、まず考えつきすらしない話ですよね。
でもこういう色恋話があったほうが歴史は面白い?と思います(^^;)
オバrevさんへ
黒田裕樹 > な、なんとそんな噂話があったんですか(((゚д゚;)))マジデスカ
結構昔から有名ですよ。江戸時代にはここには書けないくらい破廉恥な内容の川柳も作られていますからね(´・ω・`)
> 孝謙天皇は聖武天皇の娘で、大仏が完成して開眼供養をやった天皇ですよね。
> 女性で天皇に即位、それも二度即位するというと、女性とはいえかなりのやり手だったんだろうと推測します。
そのとおり、女性天皇では一、二を争う能力者でいらっしゃいます。ただ、「男尊女卑」が常識だった時代には、それ故に不当な差別を受けられたと思うんですよ。
> 藤原仲麻呂の愛人はあり得んでしょう。むしろ敵だし、孝謙天皇の母、藤原系の光明皇太后のお気に入りですよね?
常識で考えれば当然ですよね。それなのにこんな噂が流れてしまうんですから…。もっともこれは、道鏡との「有り得ない関係」からの類推とも思えますが。
> ただ道鏡に関しては考えられなくもないと思います。
> しかし道鏡は戒律を破るようなことはしないでしょうから、称徳天皇の一方的な思いだったんではないでしょうか。
> また、道鏡に天皇になるという野心があったのかどうかも疑わしいと思います。
> 普通に考えたら、まず考えつきすらしない話ですよね。
このあたりにつきましては、明日の更新をご覧いただければと思いますm(_ _)m
> でもこういう色恋話があったほうが歴史は面白い?と思います(^^;)
今回は完全な誤解ですが、男女を逆にした(つまり、男性の天皇による)「色恋話」は、今月中には紹介できると思いますよ(^^♪
ぴーち こんばんは!
そんなお噂、初めて伺いました(@@
まあ、この世は男と女しか存在しないのですから、
いくら高貴な立場の方たちでも、そういう感情は
度外視は出来ない事でしょうけれどね。
それにしても、「通じてはならない」昔の隠語とも言うべき
言葉には奥ゆかしさがありましたよね。
現代のように露骨に表現する言い方は、私は抵抗感がを感じるので、この時代の日本人の奥ゆかしさは、憧れます。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 最近は男女同権が定着しつつあることからか、以前ほどこの噂を耳にすることはなくなったのかもしれませんね。私も感情を度外視できないとは思いますが、あくまでも「天皇と臣下」の関係であり、百歩譲っても「親愛」の域を出ないと思っております。
奥ゆかしさは我が国の伝統でもありますよね。最近は何でも「開けっぴろげ」こそが望ましいというとんでもない傾向がありますから(特に性教育で)、嘆かわしい限りです。
さすらい こんばんは。
こういう倫理的なものは
現代のそれとはかなり違うのでしょうね。
歴史物ど映画やドラマは
当時の背景を描きつつも
今の倫理感で人間模様を描く傾向にあるので
ちぐはぐな動きも出てくる気がします。
まあ、フィクションですと言ってしまえば
それまでですが
史実はまた別の世界かもしれませんね。
応援♪
さすらいさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、当時の倫理観は現在とは違うと思われますし、歴史を学ぶ際の最大の欠点は、今の倫理感で人間模様を描く傾向にあることです。
当時には当時の考え方があり、それを理解せずに物語をつくることは、歴史に対する冒涜でもあります。
ただ、今回の場合は、倫理観(という言葉が問題あるとすれば、宗教観)からみても、俗説は有り得ないと考えており、そのあたりを次回の講座で詳しく紹介できればと思っています。
紗那 そもそもそういう話があるということ自体初耳です。
うん、勉強になりますな。。。
むー。道鏡さんがその戒律を破ったという可能性は・・・ないですかね。やはり。
紗那さんへ
黒田裕樹 他の方へのコメ返でも書きましたが、最近はあまり知られていないようですね。
まぁ、そういうウワサがあったことも含めて歴史なわけですが。
道鏡本人も、とんでもない濡れ衣を着せられたものですよね。
孝謙天皇は聖武天皇の娘で、大仏が完成して開眼供養をやった天皇ですよね。
女性で天皇に即位、それも二度即位するというと、女性とはいえかなりのやり手だったんだろうと推測します。
藤原仲麻呂の愛人はあり得んでしょう。むしろ敵だし、孝謙天皇の母、藤原系の光明皇太后のお気に入りですよね?
ただ道鏡に関しては考えられなくもないと思います。
しかし道鏡は戒律を破るようなことはしないでしょうから、称徳天皇の一方的な思いだったんではないでしょうか。
また、道鏡に天皇になるという野心があったのかどうかも疑わしいと思います。
普通に考えたら、まず考えつきすらしない話ですよね。
でもこういう色恋話があったほうが歴史は面白い?と思います(^^;)
結構昔から有名ですよ。江戸時代にはここには書けないくらい破廉恥な内容の川柳も作られていますからね(´・ω・`)
> 孝謙天皇は聖武天皇の娘で、大仏が完成して開眼供養をやった天皇ですよね。
> 女性で天皇に即位、それも二度即位するというと、女性とはいえかなりのやり手だったんだろうと推測します。
そのとおり、女性天皇では一、二を争う能力者でいらっしゃいます。ただ、「男尊女卑」が常識だった時代には、それ故に不当な差別を受けられたと思うんですよ。
> 藤原仲麻呂の愛人はあり得んでしょう。むしろ敵だし、孝謙天皇の母、藤原系の光明皇太后のお気に入りですよね?
常識で考えれば当然ですよね。それなのにこんな噂が流れてしまうんですから…。もっともこれは、道鏡との「有り得ない関係」からの類推とも思えますが。
> ただ道鏡に関しては考えられなくもないと思います。
> しかし道鏡は戒律を破るようなことはしないでしょうから、称徳天皇の一方的な思いだったんではないでしょうか。
> また、道鏡に天皇になるという野心があったのかどうかも疑わしいと思います。
> 普通に考えたら、まず考えつきすらしない話ですよね。
このあたりにつきましては、明日の更新をご覧いただければと思いますm(_ _)m
> でもこういう色恋話があったほうが歴史は面白い?と思います(^^;)
今回は完全な誤解ですが、男女を逆にした(つまり、男性の天皇による)「色恋話」は、今月中には紹介できると思いますよ(^^♪
そんなお噂、初めて伺いました(@@
まあ、この世は男と女しか存在しないのですから、
いくら高貴な立場の方たちでも、そういう感情は
度外視は出来ない事でしょうけれどね。
それにしても、「通じてはならない」昔の隠語とも言うべき
言葉には奥ゆかしさがありましたよね。
現代のように露骨に表現する言い方は、私は抵抗感がを感じるので、この時代の日本人の奥ゆかしさは、憧れます。
奥ゆかしさは我が国の伝統でもありますよね。最近は何でも「開けっぴろげ」こそが望ましいというとんでもない傾向がありますから(特に性教育で)、嘆かわしい限りです。
こういう倫理的なものは
現代のそれとはかなり違うのでしょうね。
歴史物ど映画やドラマは
当時の背景を描きつつも
今の倫理感で人間模様を描く傾向にあるので
ちぐはぐな動きも出てくる気がします。
まあ、フィクションですと言ってしまえば
それまでですが
史実はまた別の世界かもしれませんね。
応援♪
当時には当時の考え方があり、それを理解せずに物語をつくることは、歴史に対する冒涜でもあります。
ただ、今回の場合は、倫理観(という言葉が問題あるとすれば、宗教観)からみても、俗説は有り得ないと考えており、そのあたりを次回の講座で詳しく紹介できればと思っています。
うん、勉強になりますな。。。
むー。道鏡さんがその戒律を破ったという可能性は・・・ないですかね。やはり。
まぁ、そういうウワサがあったことも含めて歴史なわけですが。
道鏡本人も、とんでもない濡れ衣を着せられたものですよね。