称徳天皇は、自分の病を治した道鏡を信任し、彼に政治の実権を委(ゆだ)ねられました。道鏡は、仏教勢力を背景に勢力を伸ばし続け、765年に太政大臣禅師(だじょうだいじんぜんじ)となり、翌766年には法王(ほうおう)に任じられました。
西大寺(さいだいじ、奈良市)などの寺院の造営や造仏などが行われたほか、765年には、それまでの墾田永年私財法によって過熱していた私有地の拡大を防ぐために、寺社を除く墾田の私有を禁止しました。この禁止令は、率先して墾田開発を推し進めていた藤原氏に対して特に大きな打撃を与えました。
称徳天皇は、母の一族である藤原氏による政治の専横や、それを黙認した淳仁天皇などの皇族に対して、冷ややかな目で見ておられました。かといって、ご自身の子孫に天皇の地位を譲ることもできませんでした。なぜなら、称徳天皇は生涯独身でいらっしゃったからです。
女性天皇には「結婚してはならない」という不文律(ふぶんりつ、文章として成り立っていないが、暗黙のうちに守られている約束事のこと)がありました。21世紀の現代ならばともかく、当時の女性は男性によって「支配される」ことが一般的でした。ということは、仮に女性天皇に夫君(ふくん)がおられる場合には、「天皇」を支配する「天皇」が存在することになり、律令政治に支障が出るからでした。




いつも有難うございます。
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智里 道鏡って、日本のラスプーチンって言われてる人ですよね?
結局、道鏡は天皇の座を狙ってたのかな。
あまりいい話の無い人ですよね。
智里さんへ
黒田裕樹 古代史では、道鏡ほど過って伝えられている人物はないと思います。
仰られたことも「俗説」ですからね。今回の講座で、本当の「道鏡」の姿を紹介できればと思います。
管理人のみ閲覧できます
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ぴーち 前回にも書かせていただきましたが、
女性天皇の件で、仮に
今現在、女帝が誕生したとして、
やはり、その際にも、女帝は男性と
結婚してはならないという事を順守していかなければ
ならないのかしら・・。
こういうことを思うと、一般人に生れて
良かったと思うぴーちですw
ぴーちさんへ
黒田裕樹 今回の講座は8世紀の話ですから、現在とは事情が異なることも多いので、どちらが良いのかという結論は簡単には出せないと思います。
ただ、仮に現代の女性天皇が皇室と全く縁のない男性と結婚されて、お生まれになった子が天皇となられた場合には、神武天皇以来といわれる長い歴史を持つ皇統が崩れ去り、まったく別の血統による天皇の誕生ということになってしまい、皇室の価値が問われることになりかねない状態となってしまう恐れが十分にあります。
そうなると世界に誇るべき皇室の価値が(場合によっては)なくなってしまった我が国の今後がどうなってしまうのか…私には想像がつきません。
いずれにせよ、一般人に生まれてよかったというのは私も同感です。
さすらい こんばんは。
「太政大臣禅師」ですか。
また覚えないといけない単語(笑)
古今東西、世の指導者の呼称は様々ですね。
現代の日本でも総裁、党首、代表幹事
委員長等色々ありますものね(笑)
歴史上も後に出てくるでしょう征夷大将軍や関白等
政治を動かす人々の名は多いものですから
変遷があって、面白いと言えば面白いのですが。
覚える方は大変です(笑)
応援♪
さすらいさんへ
黒田裕樹 もともとは「太政大臣」だったのが、仲麻呂が中国風に名称を変更して「太師」になり、道鏡が僧であったために「太政大臣禅師」になったり…。それぞれ事情があるとはいえ、やはりややこしいですね。
ある政党のように「代表」「代表代行」という、別な意味でややこしいのもありますが(笑)。
仰るように、この後は太政大臣ばかりでなく様々な職名が出てきますが、それぞれが時代を感じさせるところが、歴史の面白さでもありますね。
現在も引き継がれている権力争い
オバrev 奈良時代の権力争いを見ていると、その様は脈々と現在の日本の政界の政権争いに引き継がれているような気がします。
権力と血縁関係でいうと、麻生総理の父太賀吉は元衆議院議員、祖父は、吉田茂元首相、妻の父親は鈴木善幸元首相。さらに祖母の祖父は大久保利通という超豪華ラインアップ。
そして方や鳩山由紀夫代表の父威一朗は元外務大臣、祖父は吉田茂を総理の座から追い落として首相についた鳩山一郎。母方の祖父はブリジストン創業者の石橋正二郎。
二人とも政財界の大御所を縁戚に持っています。
こういう財力と血縁を持った人物が政権争いをしている・・・歴史は繰り返すというか、人間の本性なんでしょうか(^_^;)
オバrevさんへ
黒田裕樹 確かにこのラインナップを見るとごもっともという気がしますね。
奈良時代の政治の移り変わりを見てみますと、選挙という手段によって合法的な政権交代が可能な現代の方がまだマシなのかもしれません。むかしはそれこそ相手を蹴落とすためには手段を選びません…って、命のやり取り以外はあまり変わらないかも…(^^ゞ
紗那 えっと、確かこの道鏡さんとかが政治をしたことも、長岡京、平安京への遷都につながる・・・っとこれは以降の講座の内容ですね←
法王であって、法皇ではない・・・・ ん~、まぁ大政大臣禅師よりは覚えやすいかな。頑張って覚えないと・・・
確かに女性天皇が結婚してはいけないのは、理屈では分かりますが。やはり男尊女卑が【根強い時代だったんですね。ま、今はそもそも女性天皇がいないというのもありますが。
悠 や、やばい・・・
ついていけないです・・・
なんかみなさんのコメントみてるとみなさん歴史詳しいですね
もっと勉強しなきゃ
紗那さんへ
黒田裕樹 > えっと、確かこの道鏡さんとかが政治をしたことも、長岡京、平安京への遷都につながる・・・っとこれは以降の講座の内容ですね←
紗那さん、さすがによくご存知ですね(^^♪
近日中には講座で紹介できると思いますよ。
> 法王であって、法皇ではない・・・・ ん~、まぁ大政大臣禅師よりは覚えやすいかな。頑張って覚えないと・・・
「法王」と「法皇」は似て非なるものですからね。「法皇」はローマ、「法王」は道鏡と覚えましょうか。あと、「太」政大臣禅師ですのでご注意下さい。
> 確かに女性天皇が結婚してはいけないのは、理屈では分かりますが。やはり男尊女卑が根強い時代だったんですね。ま、今はそもそも女性天皇がいないというのもありますが。
現代の皇室典範では女性天皇は認められていませんからね。只でさえ激務な陛下の御務めですから、女性の皇族にはご負担が大きいでしょうし。何でも「男女同権」というわけにもいかない、ということもあるのではないでしょうか。
悠さんへ
黒田裕樹 大丈夫ですよ!
学生の悠さんですから、これからしっかりと理解できればいいんです。
私の講座が少しでもお役に立てればいいんですが…。
結局、道鏡は天皇の座を狙ってたのかな。
あまりいい話の無い人ですよね。
仰られたことも「俗説」ですからね。今回の講座で、本当の「道鏡」の姿を紹介できればと思います。
女性天皇の件で、仮に
今現在、女帝が誕生したとして、
やはり、その際にも、女帝は男性と
結婚してはならないという事を順守していかなければ
ならないのかしら・・。
こういうことを思うと、一般人に生れて
良かったと思うぴーちですw
ただ、仮に現代の女性天皇が皇室と全く縁のない男性と結婚されて、お生まれになった子が天皇となられた場合には、神武天皇以来といわれる長い歴史を持つ皇統が崩れ去り、まったく別の血統による天皇の誕生ということになってしまい、皇室の価値が問われることになりかねない状態となってしまう恐れが十分にあります。
そうなると世界に誇るべき皇室の価値が(場合によっては)なくなってしまった我が国の今後がどうなってしまうのか…私には想像がつきません。
いずれにせよ、一般人に生まれてよかったというのは私も同感です。
「太政大臣禅師」ですか。
また覚えないといけない単語(笑)
古今東西、世の指導者の呼称は様々ですね。
現代の日本でも総裁、党首、代表幹事
委員長等色々ありますものね(笑)
歴史上も後に出てくるでしょう征夷大将軍や関白等
政治を動かす人々の名は多いものですから
変遷があって、面白いと言えば面白いのですが。
覚える方は大変です(笑)
応援♪
ある政党のように「代表」「代表代行」という、別な意味でややこしいのもありますが(笑)。
仰るように、この後は太政大臣ばかりでなく様々な職名が出てきますが、それぞれが時代を感じさせるところが、歴史の面白さでもありますね。
権力と血縁関係でいうと、麻生総理の父太賀吉は元衆議院議員、祖父は、吉田茂元首相、妻の父親は鈴木善幸元首相。さらに祖母の祖父は大久保利通という超豪華ラインアップ。
そして方や鳩山由紀夫代表の父威一朗は元外務大臣、祖父は吉田茂を総理の座から追い落として首相についた鳩山一郎。母方の祖父はブリジストン創業者の石橋正二郎。
二人とも政財界の大御所を縁戚に持っています。
こういう財力と血縁を持った人物が政権争いをしている・・・歴史は繰り返すというか、人間の本性なんでしょうか(^_^;)
奈良時代の政治の移り変わりを見てみますと、選挙という手段によって合法的な政権交代が可能な現代の方がまだマシなのかもしれません。むかしはそれこそ相手を蹴落とすためには手段を選びません…って、命のやり取り以外はあまり変わらないかも…(^^ゞ
法王であって、法皇ではない・・・・ ん~、まぁ大政大臣禅師よりは覚えやすいかな。頑張って覚えないと・・・
確かに女性天皇が結婚してはいけないのは、理屈では分かりますが。やはり男尊女卑が【根強い時代だったんですね。ま、今はそもそも女性天皇がいないというのもありますが。
ついていけないです・・・
なんかみなさんのコメントみてるとみなさん歴史詳しいですね
もっと勉強しなきゃ
紗那さん、さすがによくご存知ですね(^^♪
近日中には講座で紹介できると思いますよ。
> 法王であって、法皇ではない・・・・ ん~、まぁ大政大臣禅師よりは覚えやすいかな。頑張って覚えないと・・・
「法王」と「法皇」は似て非なるものですからね。「法皇」はローマ、「法王」は道鏡と覚えましょうか。あと、「太」政大臣禅師ですのでご注意下さい。
> 確かに女性天皇が結婚してはいけないのは、理屈では分かりますが。やはり男尊女卑が根強い時代だったんですね。ま、今はそもそも女性天皇がいないというのもありますが。
現代の皇室典範では女性天皇は認められていませんからね。只でさえ激務な陛下の御務めですから、女性の皇族にはご負担が大きいでしょうし。何でも「男女同権」というわけにもいかない、ということもあるのではないでしょうか。
学生の悠さんですから、これからしっかりと理解できればいいんです。
私の講座が少しでもお役に立てればいいんですが…。