山田方谷は大胆な改革によって藩の財政を立て直しましたが、その基本となったのは彼が長年務め上げた教育者としての矜持(きょうじ、自分の能力を優れたものとして誇る気持ち)でした。士農工商の身分を超えて多くの優れた人材を育て上げた教育精神が、彼の経済政策を成功に導いたことは間違いありません。
また、いかに財政が豊かになろうとも、藩を守るためには軍制の改革が欠かせません。方谷が壮健な者を選(え)りすぐって里正隊という独自の軍隊をつくり上げたことは、戊辰戦争の際の大きな「抑止力」として備中松山藩を救う結果となりました。
これらの例を見ても分かるように、経済政策の成功のカギは単なる金融政策や財政政策だけでなく、将来を見据(みす)えた「教育」や「防衛」こそが握(にぎ)っているのであり、アベノミクスの成功の可否もこれらの問題の解決にかかっているとしても過言ではないでしょう。
10万両の借財を短期間ですべて返済したばかりか逆に10万両の蓄財を達成し、実質2万石に満たなかった藩を20万石の実力があると周囲に認めさせるほどの改革を成し遂げた山田方谷。
今年(平成25年=2013年)1月に行われた衆議院本会議の代表質問において平沼赳夫(ひらぬまたけお)議員が発言されたように、我が国が本当の意味で「強い国家と豊かな生活を取り戻す」ためにも、私たちは今こそ山田方谷の精神に学ぶべきではないでしょうか。
(※第36回歴史講座の内容はこれで終了です。次回[6月21日]からは通常の更新[=昭和時代・戦前]に戻ります)





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち おはようございます!
仰るとおり、教育は一番の柱だと思います。
教育が廃れた国は亡国の一途を辿るのではないかと懸念します。
それを考えると「ゆとり教育」の浅はかさは
今更ながら、許しがたい方策だったと悔やまれてなりません。
この方策を打ち立てたのも、自民党でしたので
今度はしっかりとした政策の元、教育改革への
巻き返しへも意欲を示していただきたいものです。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりですね。
政治主導はもちろん、現場においてもこつこつと頑張っていきたいと考えております。
オバrev コメントが遅くなって申し訳ないですm(_ _)m
株価や為替の乱高下は、海外の投資ファンドに行き先のない有り余ったマネーが流れているためと言われていますが、やはりアベノミクスの矢がまだ細く不安定なこともあると思います。
それを図太く確固たるものにするために、やはりベースとしての教育、人材育成が支えとなることは仰るとおりだと思います。未来を見据えて力を入れて欲しいです。
しかし現実は最近の若い人の社会人としての甘さと、仕事を追求して行こうという職人的モチベーションの無さに戸惑っています(?o?)
オバrevさんへ
黒田裕樹 仰るとおりですね。
教育の欠如は様々な弊害をもたらしますから、将来を見据えた政策が望まれます。
特効薬と漢方薬の両方が必要ですね。
富国強兵が大事
- 黒田先生
青田です。
あらためて、この動画を一通り
拝見させて頂きましたが、
山田方谷の財政再建の本当の
目的は、『富国強兵』だった気がします。
この『強兵』の概念がなく、単に富国だけなら
間違いなく、官軍に蹂躙されていたと思います。
それは、現代の日本にも通じることですし、
間違いなく世界常識です。
青田さんへ
黒田裕樹 仰るとおり、山田方谷は世界の常識にのっとって「富国強兵」を実現させましたよね。
だからこそ現代の私たちが学ばねばならないのです。
仰るとおり、教育は一番の柱だと思います。
教育が廃れた国は亡国の一途を辿るのではないかと懸念します。
それを考えると「ゆとり教育」の浅はかさは
今更ながら、許しがたい方策だったと悔やまれてなりません。
この方策を打ち立てたのも、自民党でしたので
今度はしっかりとした政策の元、教育改革への
巻き返しへも意欲を示していただきたいものです。
応援凸
政治主導はもちろん、現場においてもこつこつと頑張っていきたいと考えております。
株価や為替の乱高下は、海外の投資ファンドに行き先のない有り余ったマネーが流れているためと言われていますが、やはりアベノミクスの矢がまだ細く不安定なこともあると思います。
それを図太く確固たるものにするために、やはりベースとしての教育、人材育成が支えとなることは仰るとおりだと思います。未来を見据えて力を入れて欲しいです。
しかし現実は最近の若い人の社会人としての甘さと、仕事を追求して行こうという職人的モチベーションの無さに戸惑っています(?o?)
教育の欠如は様々な弊害をもたらしますから、将来を見据えた政策が望まれます。
特効薬と漢方薬の両方が必要ですね。
青田です。
あらためて、この動画を一通り
拝見させて頂きましたが、
山田方谷の財政再建の本当の
目的は、『富国強兵』だった気がします。
この『強兵』の概念がなく、単に富国だけなら
間違いなく、官軍に蹂躙されていたと思います。
それは、現代の日本にも通じることですし、
間違いなく世界常識です。
だからこそ現代の私たちが学ばねばならないのです。