そこで、方谷は藩校の有終館を拡張(かくちょう)したり、領内に「学問所(がくもんじょ)」や「教諭所(きょうゆじょ)」を設けたりしたほか、郷学(ごうがく、藩士の教育や庶民の教育のために各地に設けられた学校のこと)や私塾、あるいは寺子屋を次々と設置したことで、教育の施設(しせつ)の充実ぶりは他藩をはるかにしのぐようになりました。
方谷は藩士以外の領民の教育に力を注(そそ)いだだけでなく、特に成績優秀な者は農民や商人出身でも藩士へ取り立てたことで、子弟(してい)はすべて向学心(こうがくしん)に燃え、藩の教育水準が向上するとともに、方谷の財政改革への理解度も高まりました。
こうした思い切った教育改革も、方谷自身が農商の出身でありながら元締役と吟味役を兼任するまでに出世したという経験が下地(したじ)にあったからに間違(まちが)いありません。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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オバrev 方谷の財政改革は私はもちろん知りませんでしたが、もっと一つ一つの改革がどのくらいの経済効果があったのか深く掘り下げて検討して欲しいですね。
それにしても江戸時代は平和が続いて、様々な産業や文化が発展するとともに、財政破綻や財政改革など現在の経済状況と非常によく似ていると思います。
財政改革という点から、歴史学者や経済学者が一緒になって、しっかり江戸時代を洗いなおす事が求められているような気がします。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 方谷の財政改革は私はもちろん知りませんでしたが、もっと一つ一つの改革がどのくらいの経済効果があったのか深く掘り下げて検討して欲しいですね。
今回は方谷の改革全般について紹介しておりますので、具体的な効果については物足りないところがあるかもしれません。申し訳ないです。
ただ、全体の効果については近日中に回答することになると思います。
> 財政改革という点から、歴史学者や経済学者が一緒になって、しっかり江戸時代を洗いなおす事が求められているような気がします。
仰るとおりですね。経済学が机上の空論とならないように、歴史的な背景をも見つめ直す必要があると思います。
ぴーち おはようございます!
生まれた所は貧しくても、
そこにやる気や向上心があるなら
高水準の教育を受ける事が出来る制度というのは
考えてみれば、素晴らしいことですね!
生まれてきた所の家の家業などを引き継いでいく
ことも勿論大切だとは思いますが、
生まれてきたからには、自分の夢や希望が
叶う世の中で生きてみたいと思うのが人間ですものね。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりです。
家業を継ぐだけでなく、様々な人生を選択できるように幅を広げることができる教育の振興は非常に重要ですね。
身分社会の壁!?
鹿児島のタク 黒田先生
「方谷自身が農商の出身でありながら元締役と吟味役を兼任するまでに出世したという経験…」という部分についてですが…。
日本の江戸時代の身分制度・社会についてですけど,そりゃ厳しかったんでしょうけれども,この方谷さんのように士農工商等の身分が変わることって意外とあるみたいなんですけどいかがでしょうか。
例えば,私は鹿児島ですが,薩摩藩においても武士の「株」を買うことができるみたいで,いろいろな有能な人が,親の代までは武士階級じゃないのですが,「士」になっている例が結構多いのです。
また,武士の中でも,特に幕末になるとですが,門閥の家老もいるのですが,実力の家老というのがよく出てきますよね。家老じゃなくて全く身分の低い武士(茶坊主)が,財政改革をやっています。例の調所広郷もです。
江戸時代の身分社会・制度…どうなっているのでしょうか。
鹿児島のタクさんへ
黒田裕樹 確かに士農工商と言われる身分の厳格な区別は、時代が下るにつれて緩くなりました。
株を買えば武士になれるものもいたのも事実ですが、同時に華々しい出世を果たすとすれば、やはり本人の努力が不可欠ですね。
ともあれ、他国とは違って人種差別的な思想のない我が国ならではの展開だと思います。
それにしても江戸時代は平和が続いて、様々な産業や文化が発展するとともに、財政破綻や財政改革など現在の経済状況と非常によく似ていると思います。
財政改革という点から、歴史学者や経済学者が一緒になって、しっかり江戸時代を洗いなおす事が求められているような気がします。
今回は方谷の改革全般について紹介しておりますので、具体的な効果については物足りないところがあるかもしれません。申し訳ないです。
ただ、全体の効果については近日中に回答することになると思います。
> 財政改革という点から、歴史学者や経済学者が一緒になって、しっかり江戸時代を洗いなおす事が求められているような気がします。
仰るとおりですね。経済学が机上の空論とならないように、歴史的な背景をも見つめ直す必要があると思います。
生まれた所は貧しくても、
そこにやる気や向上心があるなら
高水準の教育を受ける事が出来る制度というのは
考えてみれば、素晴らしいことですね!
生まれてきた所の家の家業などを引き継いでいく
ことも勿論大切だとは思いますが、
生まれてきたからには、自分の夢や希望が
叶う世の中で生きてみたいと思うのが人間ですものね。
応援凸
家業を継ぐだけでなく、様々な人生を選択できるように幅を広げることができる教育の振興は非常に重要ですね。
「方谷自身が農商の出身でありながら元締役と吟味役を兼任するまでに出世したという経験…」という部分についてですが…。
日本の江戸時代の身分制度・社会についてですけど,そりゃ厳しかったんでしょうけれども,この方谷さんのように士農工商等の身分が変わることって意外とあるみたいなんですけどいかがでしょうか。
例えば,私は鹿児島ですが,薩摩藩においても武士の「株」を買うことができるみたいで,いろいろな有能な人が,親の代までは武士階級じゃないのですが,「士」になっている例が結構多いのです。
また,武士の中でも,特に幕末になるとですが,門閥の家老もいるのですが,実力の家老というのがよく出てきますよね。家老じゃなくて全く身分の低い武士(茶坊主)が,財政改革をやっています。例の調所広郷もです。
江戸時代の身分社会・制度…どうなっているのでしょうか。
株を買えば武士になれるものもいたのも事実ですが、同時に華々しい出世を果たすとすれば、やはり本人の努力が不可欠ですね。
ともあれ、他国とは違って人種差別的な思想のない我が国ならではの展開だと思います。