犬養首相の暗殺という非常事態を受けて、後継(こうけい)の首相には元老(げんろう)の西園寺公望(さいおんじきんもち)の推薦(すいせん)によって海軍大将で穏健派(おんけんは)の斎藤実(さいとうまこと)が選ばれ、約8年続いた政党内閣は中断を余儀(よぎ)なくされました。
斎藤内閣は立憲政友会や立憲民政党からも閣僚(かくりょう)を迎(むか)え、いわゆる挙国一致内閣(きょこくいっちないかく)をめざしたことで世論の支持を集めました。また、その後を継(つ)いだ岡田啓介(おかだけいすけ)も同じく穏健派の海軍大将の出身でした。
三月事件・十月事件から血盟団事件(けつめいだんじけん)、さらには五・一五事件と続いた一連のテロリズムは為政者(いせいしゃ)や財界を震(ふる)え上がらせましたが、海軍の穏健派の重鎮(じゅうちん)を次々と首相に選んだことによって、表向きは動揺(どうよう)が収(おさ)まったように見えました。しかし、その裏(うら)では国家社会主義思想が軍部を中心に確実に浸透(しんとう)し、やがては我が国全体を巻(ま)き込んだ前代未聞(ぜんだいみもん)の大事件が起きてしまうのです。
なお、五・一五事件が起きる頃(ころ)までには農村の疲弊(ひへい)が広く認識されたことで財閥(ざいばつ)が次々と「転向」し、救済事業が開始されています。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
5.15事件。犬養毅が暗殺される。などなど
その昔確かに歴史の授業で学んだ出来事でしたが
その前後の社会情勢、あるいはその事件の発端となった出来事など、思い起こせばまるで理解していなかったことに気付かされます。
こうして改めて学べる機会を与えてくださり
感謝していますm(__)m
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 いえいえ、こちらこそいつも丁寧なお言葉有難うございますm(_ _)m
仰るとおり、歴史上の出来事一つ一つには大きな流れがあり、それをとらえることによって様々な理解を深めることになりますね。
5.15事件。犬養毅が暗殺される。などなど
その昔確かに歴史の授業で学んだ出来事でしたが
その前後の社会情勢、あるいはその事件の発端となった出来事など、思い起こせばまるで理解していなかったことに気付かされます。
こうして改めて学べる機会を与えてくださり
感謝していますm(__)m
応援凸
仰るとおり、歴史上の出来事一つ一つには大きな流れがあり、それをとらえることによって様々な理解を深めることになりますね。