そもそも明治維新や明治新政府は元老たちが明治天皇の下で起こしたのですから、元老の意見は天皇の意見と同じだけの重みをもっていました。そして、そんな元老たちの推薦(すいせん)によって内閣総理大臣が選ばれたことから、首相や内閣も天皇や元老と一体(いったい)のものと考えられていたのです。
これだけの重みがある以上、たとえ明治憲法に規定のなかった内閣であってもその指導力はいかんなく発揮(はっき)され、日清戦争(にっしんせんそう)や日露戦争(にちろせんそう)においてもその絶妙(ぜつみょう)な政治的判断によって我が国は国難(こくなん)を何度も乗り越えてきました。
しかし時が流れて昭和を迎える頃には元老のほとんどが死に絶(た)えてしまい、大正期に元老となった西園寺公望(さいおんじきんもち)のみとなってしまいました。こうなると元老の意見が天皇の意見と同じであると誰(だれ)も思わなくなり、同時に内閣の権威(けんい)も低下してしまったことで統帥権干犯問題が表面化してしまうようになってしまったのです。
そして、そんな統帥権干犯問題をさらに拡大してしまったのが、本来は軍部をコントロールする立場であるはずの政党であったことが何とも言えない皮肉でもありました。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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青田です。 黒田先生
こんにちは
青田です。
この問題の根本は、やはり、人材不足が原因ですね。
● 元老が寿命で、いなくなって、ブレインとなる存在がなくなった。
● 政党政治の政治家も有能な人材が欠如し、国益よりも、政権を取ることしか考えなくなった。
● 軍人も明治時代のように、本当の戦争を知っている世代がいなくなり、机上の論理だけしか考えられない軍事官僚が増えた。
これは、今の日本も同じだと思います。
政治家・経済人も平和ボケ・豊かさボケ・平等ボケで、戦後を支えた有能な人材がいなくなった。
私は、つくづく、思うのですが、
どれだけ、モノに溢れて、便利になっても
人材がいなけえば、健全な社会は創れないと。。
カリスマ(神の恩寵)
晴雨堂ミカエル 日本に限らず、諸外国においても革命第一世代というのは絶大な存在感があります。そして世代を経るにしたがってカリスマは低下していきます。
北朝鮮では強引に金日成の若い孫を担ぎ上げ、社会主義国の中で比較的真面目なキューバでさえもカストロの実弟が最高指導者に就任、そして中国は反日でガス抜きをする。毛沢東時代、「日本人民も中国人民と同じく帝国主義の被害者」と語って日本の護憲派を感動させた矜持はもはや無い。
日本の場合は天皇が神聖な存在としてカリスマを維持し、世俗の政治で手を汚させないよう配慮したことでカリスマは保持されてきました。そしてその天皇の下で官軍を率い闘った維新第一世代たる元老たちは伝説のカリスマ。
それに比べれば浜口首相は普通の平民政治家、後の東條首相も軍を率いて闘うよりも参謀飾緒が似合う秀才。浜口も東條も「官僚」出身であることは共通です。この共通項も重要ですね。
青田さんへ
黒田裕樹 仰るとおり、人材不足でした。
金解禁もそうでしたが、危機管理に対して「机上の論理」がまかり通ったことで世の中がおかしくなる例の一つですね。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 なるほど、カリスマですか。
官僚出身の政治家が危機に際して活躍できるか、という点も大きそうですね。
ぴーち こんばんは!
元老の言葉の重みが、天皇と同等だと言う事を
初めて知りました!
それにしても、昔から「黒田」というお名前の
方のご活躍は目覚ましかったのですね^^
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 維新の元勲にはカリスマ的な要素がありましたからね。
いえいえ、黒田にもいろんな人物がおりますので…(^^ゞ
仰る通りです。
晴雨堂ミカエル 東條首相は軍人とはいえ、エリートの軍官僚といったほうがよく、大蔵官僚だった濱口首相とは、共通する気質があったのではないかと思います。即ち、大局を見る目に甘さがあったとか。
少なくとも、幕藩体制のヒエラルキーを破壊して臨機応変に維新を成し遂げ欧米列強と渡り合った元勲たちに比べると、試験で成り上がった要素が強いと思います。
晴雨堂ミカエルさんへ その2
黒田裕樹 私もそう思います。
こんにちは
青田です。
この問題の根本は、やはり、人材不足が原因ですね。
● 元老が寿命で、いなくなって、ブレインとなる存在がなくなった。
● 政党政治の政治家も有能な人材が欠如し、国益よりも、政権を取ることしか考えなくなった。
● 軍人も明治時代のように、本当の戦争を知っている世代がいなくなり、机上の論理だけしか考えられない軍事官僚が増えた。
これは、今の日本も同じだと思います。
政治家・経済人も平和ボケ・豊かさボケ・平等ボケで、戦後を支えた有能な人材がいなくなった。
私は、つくづく、思うのですが、
どれだけ、モノに溢れて、便利になっても
人材がいなけえば、健全な社会は創れないと。。
北朝鮮では強引に金日成の若い孫を担ぎ上げ、社会主義国の中で比較的真面目なキューバでさえもカストロの実弟が最高指導者に就任、そして中国は反日でガス抜きをする。毛沢東時代、「日本人民も中国人民と同じく帝国主義の被害者」と語って日本の護憲派を感動させた矜持はもはや無い。
日本の場合は天皇が神聖な存在としてカリスマを維持し、世俗の政治で手を汚させないよう配慮したことでカリスマは保持されてきました。そしてその天皇の下で官軍を率い闘った維新第一世代たる元老たちは伝説のカリスマ。
それに比べれば浜口首相は普通の平民政治家、後の東條首相も軍を率いて闘うよりも参謀飾緒が似合う秀才。浜口も東條も「官僚」出身であることは共通です。この共通項も重要ですね。
金解禁もそうでしたが、危機管理に対して「机上の論理」がまかり通ったことで世の中がおかしくなる例の一つですね。
官僚出身の政治家が危機に際して活躍できるか、という点も大きそうですね。
元老の言葉の重みが、天皇と同等だと言う事を
初めて知りました!
それにしても、昔から「黒田」というお名前の
方のご活躍は目覚ましかったのですね^^
応援凸
いえいえ、黒田にもいろんな人物がおりますので…(^^ゞ
少なくとも、幕藩体制のヒエラルキーを破壊して臨機応変に維新を成し遂げ欧米列強と渡り合った元勲たちに比べると、試験で成り上がった要素が強いと思います。