折からの恐慌で農家の兼業(けんぎょう)が望めなくなったうえに、都市の失業者の多くが帰農(きのう)した際に大凶作となったことから、農村では甚大(じんだい)な危機(きき)となりました。農家の多くは翌年の種籾(たねもみ)まで食い尽(つ)くしたほか、欠食児童(けっしょくじどう)や婦女子(ふじょし)による身売り(=親が給与を前借りして働きに出すこと)が続出しました。
金解禁を断行した浜口内閣への非難の声は、外務大臣(がいむだいじん)の幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)による協調外交(きょうちょうがいこう)がもたらした軍縮(ぐんしゅく)に関する問題(詳しくは後述します)もあって日増(ひま)しに高まり、浜口首相が昭和5年11月に東京駅で狙撃(そげき)されると翌昭和6年4月に内閣が総辞職(そうじしょく)し、後継(こうけい)の第二次若槻礼次郎(わかつきれいじろう)内閣も短命に終わりました。
その次の立憲政友会(りっけんせいゆうかい)による犬養毅(いぬかいつよし)内閣が組閣(そかく)直後の昭和6年12月に金輸出再禁止(きんゆしゅつさいきんし)を行ったほか、大蔵大臣(おおくらだいじん)の高橋是清(たかはしこれきよ)による経済政策によって我が国の景気はようやく回復へと向かうのですが(詳しくは後述します)、それまでの昭和恐慌の爪痕(つめあと)は予想外に大きく、我が国の将来に重大な影響を与えることになるのです。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
何処の業界でも、言えることなのでしょうけれど、農作物も、豊作であれば良いというものでは
無いのが辛い所ですよね。
国の政策によって、国民の生活が振り回されるのは困りますが、こうして伺っていると
政治の舵取りというのは、最大に重要な事なのだと
改めて感じました。
応援凸
そういえば・・。
晴雨堂ミカエル 小泉元首相の祖父は濱口首相の盟友だったような。
昭和に入ると人繋がりが現代に直結しますな。戦前戦中をどう評価するかで自身の政治的ポジションが明らかになる。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりです。
豊作・凶作にかかわらず、国の基本である農業を支える政策が望まれますね。
TPPもその視点で判断する必要がありそうです。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 確かに今から100年も経っていない話ですから、現在との接点は多いですね。
千葉 こんにちは。筑波の論述を書く際、金解禁のメカニズムがあまり頭に入らず苦労していましたが、ようやく消化できたように思います。
ありがとうございました。
千葉さんへ
黒田裕樹 こんにちは。拙講座が千葉さんのお役に立てたことを心より嬉しく、また誇りに思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
何処の業界でも、言えることなのでしょうけれど、農作物も、豊作であれば良いというものでは
無いのが辛い所ですよね。
国の政策によって、国民の生活が振り回されるのは困りますが、こうして伺っていると
政治の舵取りというのは、最大に重要な事なのだと
改めて感じました。
応援凸
昭和に入ると人繋がりが現代に直結しますな。戦前戦中をどう評価するかで自身の政治的ポジションが明らかになる。
豊作・凶作にかかわらず、国の基本である農業を支える政策が望まれますね。
TPPもその視点で判断する必要がありそうです。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。