大坂といえば元々は豊臣秀吉(とよとみひでよし)が大坂城(おおさかじょう)を建築したことなどで発展(はってん)しましたが、徳川家康(とくがわいえやす)によって豊臣家が滅(ほろ)ぼされた際に大坂は火の海となって多くの人々が殺されたり、あるいは捕まって身売りされたりするなど散々(さんざん)な目にあいました。
それらの「恨み」は時が流れて表面上は水に流しても心の奥底(おくそこ)では決して忘れることはなく、せめて架空(かくう)の世界でだけでも恨みを晴らしたい、という思いが募(つの)っていたそんな折に元禄赤穂事件が起きたのです。
元禄赤穂事件の背景に「尊皇vs.幕府」があったことを見抜いた大坂の浄瑠璃作者たちは、幕府の咎めを受けることなく何とかして舞台の上で浅野主従(しゅじゅう)の願いと自分たちの思いを果たすことができないかと考え、苦労の末に編(あ)み出したのが「仮名手本忠臣蔵」なのでした。
なぜそう言い切れるのでしょうか。それは、高師直の官職名が「武蔵守(むさしのかみ)」だからです。





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晴雨堂ミカエル 実は仮名手本忠臣蔵は子供の頃から興味がありました。
初めて観た「忠臣蔵」はNHK大河ドラマで、タイトルは失念しましたが石坂浩二が柳沢を演じた40年近く前の作品です。
ところがこの仮名手本は登場人物の名前が違う。登場する人物の多くは実在だが史実無茶苦茶、強引に元禄の忠臣蔵を南北朝時代に嵌め込んだ設定に面白い違和感を感じたものです。
中高生時代、私なりに調べた結果、ほぼ黒田氏と同様の見解に至りました。
しかし当時は「深読み過ぎる」「間違い」「七不思議の観すぎ」などと周囲から嘲笑を受けたものです。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 大河ドラマは「元禄太平記」ですね。ネーミングが仮名手本忠臣蔵と対をなしています。
深読みしすぎですか…。まぁいろんな考えの人がおられますからね。
ぴーち こんばんは!
なるほど、関西の方はその頃からの恨みつらみを
忠臣蔵という願ってもない史実に重ね、そこから物語が大火の様に隅々まで広がったという事でしたか。
しかし
それによって、長年の恨みが無事晴れたのでしょうか・・。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 「恨みを晴らす」効果は確かにあったと思います。
ただ、その手法がいかにも日本人らしく手が込んでいるんですよね(^^ゞ
詳しくは次回(2日)の更新をご覧いただくことになりますが、いかにも「大人」のやり方だと思います。
初めて観た「忠臣蔵」はNHK大河ドラマで、タイトルは失念しましたが石坂浩二が柳沢を演じた40年近く前の作品です。
ところがこの仮名手本は登場人物の名前が違う。登場する人物の多くは実在だが史実無茶苦茶、強引に元禄の忠臣蔵を南北朝時代に嵌め込んだ設定に面白い違和感を感じたものです。
中高生時代、私なりに調べた結果、ほぼ黒田氏と同様の見解に至りました。
しかし当時は「深読み過ぎる」「間違い」「七不思議の観すぎ」などと周囲から嘲笑を受けたものです。
深読みしすぎですか…。まぁいろんな考えの人がおられますからね。
なるほど、関西の方はその頃からの恨みつらみを
忠臣蔵という願ってもない史実に重ね、そこから物語が大火の様に隅々まで広がったという事でしたか。
しかし
それによって、長年の恨みが無事晴れたのでしょうか・・。
応援凸
ただ、その手法がいかにも日本人らしく手が込んでいるんですよね(^^ゞ
詳しくは次回(2日)の更新をご覧いただくことになりますが、いかにも「大人」のやり方だと思います。