平清盛の時代に摂関家と同じ手法によって全盛期を迎えた平氏政権は、貴族ばかりでなく同じ武士の反感も買い、1170年代の後半に入ると衰えを見せ始めました。
やがて平氏は源氏との戦いに敗れ、幼君であった安徳天皇(あんとくてんのう)を引き連れて都落ちをしましたが、本拠地である西国ではまだまだ力を持っており、東国を抑えた源氏との勢力争いは当分の間続くと思われていました。
ところが、その予想は大きく外れ、都落ちからわずか2年足らずで平氏はあっけなく滅亡してしまうのです。その原因をつくった男こそが義経その人であり、天才ともいえる彼の戦術がそうさせたのでした。
平氏は都落ちした後に勢力を回復すべく、一ノ谷(いちのたに、現在の神戸市)に陣をかまえていました。平氏は伝統的に水軍が強く、逆に山育ちの源氏は水軍を苦手としていました。平氏は山を背後に軍勢を巧(たく)みに配置し、万全の体制で源氏を迎え撃とうとしていました。
一ノ谷の背後の山は急坂になっており、通常なら馬が駆け下りるなど不可能と思われていました。しかし、地元の猟師から「鹿なら通る」との話を聞いた義経は、「鹿に通れて馬が通れないはずがない」とばかりに山の頂上から騎馬隊全軍を率いて坂を一気に下り、平氏の背後を奇襲しました。
後の世に「鵯越(ひよどりごえ)の逆(さか)落とし」と呼ばれたこの作戦は見事に成功し、不意をつかれた平氏は大混乱となり、敗走せざるを得ませんでした。騎馬軍団のスピード能力を最大限に活かした義経による奇跡の大勝利でしたが、奇跡はこれだけではありませんでした。




いつも有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
義経は奇襲攻撃を主体とした攻撃が得意だったんですね!
所で、もっと先のお話になるかと思いますが、
蝦夷地から、モンゴルに渡って現地でジンギスカンとして活躍した人物こそ
実は義経だったのではないかという説を説いた本が
出版された事があり、ロマンを感じた覚えがありましたが、
実際に科学的観点からは間違いであると後日発表されたようですね。
私としては、そのロマンの説の方を信じていたかったのですけれど^^
黒田さんは、いかがですか?
それでは、応援!
弁慶の泣き所~突き(^m^)ちょん、ちょん ちょん凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 「義経=ジンギスカン伝説」については、いずれ今回の講座で紹介しますが、基本的にはジンギスカンの残虐ぶりと義経の名武将ぶりとは似ても似つかないと思われます。ロマンはあるとは思いますが…。
ではなぜそのような伝説ができたのかについては…今しばらくお待ち下さいm(_ _)m
痛い、痛い~(>_<)
…って、何言わせるんですか(^^ゞ
およよのよ 一の谷での奇襲は有名ですね。
ナポレオンを思い出します。
ナポレオンよりは早いんでしたっけ?
義経=チンギスハン説は…ちょっと夢みすぎな気もしますね。
あそこで清く散ってこそって気がします。私的には。
人の散り際ってのは重要ですよね。
織田信長とか。逆に織田信長を討った光秀の最後は…。
でも真田幸村といい、英雄にはかならずと言って良いほど生存説がありますよね。
皆、心の中では「英雄生存願望」ってのがあるんだと思います。得に当時の人々には。
私もこの武将がここでこうなって生きていれば…などと頭の中でSF妄想することがあります。
でもそういう俗説は信じてません。
そのままの英雄を信じたいですね。
私の学んでる歴史には分からない事や間違っていることも沢山ありますがそれを何年もかけて穴を埋めていくってのが良いとおもいます。
そうそう、珍説、俗説だったら「上杉謙信女性説」を先生にいつか触れて頂きたいです(笑)
ありえないとは思いつつちょっと強引な裏付けが多く、調べていて凄く面白かったですねーあの説は。
まさに珍説。
およよのよさんへ
黒田裕樹 > 一の谷での奇襲は有名ですね。
> ナポレオンを思い出します。
> ナポレオンよりは早いんでしたっけ?
ナポレオンは18世紀末~19世紀当初に活躍しましたから、そのとおりですね。ナポレオンについては、高校の世界史で詳しく学習できますよ。
> 義経=チンギスハン説は…ちょっと夢みすぎな気もしますね。
> あそこで清く散ってこそって気がします。私的には。
> 人の散り際ってのは重要ですよね。
> 織田信長とか。逆に織田信長を討った光秀の最後は…。
およよのよさんのお考えもごもっともです。「潔さ」の考えも我が国らしいですよね。光秀については…来月(8月29日)までお待ち下さいm(_ _)m
> でも真田幸村といい、英雄にはかならずと言って良いほど生存説がありますよね。
> 皆、心の中では「英雄生存願望」ってのがあるんだと思います。特に当時の人々には。
仰るとおりで、我が国の中では「悲劇的な最期を遂げた英雄を死なないことにしたい」という思想があるんですよね。これについては後に書きます。
> 私もこの武将がここでこうなって生きていれば…などと頭の中でSF妄想することがあります。
歴史の「if」の考えは大いに結構ですよ。そこから我々が生きていく知恵を見出すこともありますし。
> でもそういう俗説は信じてません。
> そのままの英雄を信じたいですね。
> 私の学んでる歴史には分からない事や間違っていることも沢山ありますがそれを何年もかけて穴を埋めていくってのが良いとおもいます。
およよのよさんはまだ中学生ですから、いくら歴史好きでも分からないことが多いかもしれませんね。
仰るとおり、「そのままの英雄」の状態から、少しずつ穴埋めして知識を深め、それを自分のものにしていければ、もっと視野が広がりますよ。
> そうそう、珍説、俗説だったら「上杉謙信女性説」を先生にいつか触れて頂きたいです(笑)
> ありえないとは思いつつちょっと強引な裏付けが多く、調べていて凄く面白かったですねーあの説は。
> まさに珍説。
これはまた新たな注文ですね…。「天地人」にもつながりますが、謙信の特集には確かに興味がありますね(^^♪
さすらい こんばんは。
安徳天皇とは
「耳なし芳一」を思い出してしまいますな(笑)
実際の平家の無念と怨念は
凄まじかったのでしょうね。
対して繁栄する源氏
そして義経による奇跡
次回を期待します。
応援♪
さすらいさんへ
黒田裕樹 > 安徳天皇とは
> 「耳なし芳一」を思い出してしまいますな(笑)
> 実際の平家の無念と怨念は
> 凄まじかったのでしょうね。
怪談話が有名になっているほどですからね。それなのに、平家を滅ぼした張本人のはずの義経が英雄といわれているのも不思議な話です。
> 対して繁栄する源氏
> そして義経による奇跡
> 次回を期待します。
はい、どうぞご期待下さい(^_^)v
応援有難うございます!
管理人のみ閲覧できます
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待ってました!
ふとかつ こんばんは。
待ちに待った源義経のお話、とうとう始まりましたね。
朝夕の更新のため、ペースがすごく早くて付いていくのがやっとです。
このままだと、あっという間に義経が去ってしまいますね。
この後も楽しみにしております!
ふとかつさんへ
黒田裕樹 そこまでご期待いただき、本当に有難いです。
ブログ上の歴史講座を優先させる意味で、実際に行った講座については一日2度の更新とさせていただいております。予定では土曜日の朝まで講座が続く予定ですので、今後も是非ご覧下さい!(^o^)丿
う、うまい!
オバ 無謀とも言える義経の「鵯越の逆落とし」は痛快ですね。
しかし、奇跡はこれだけではなかかった(゜ロ゜)エェッ
・・・こ、こりゃぁ、明日も絶対続きを読まなきゃ(*゚▽゚*)
・・・って、う、うまい!黒田先生、益々冴えてきましたね。
ところで広島には、マツダズムスタ以外にも平氏に縁のある厳島神社があります。
是非、3塁外野2階席以外は熱狂的カープファンで埋まるスタジアムとともに、訪れてみられるといいと思います(^^)/
オバさんへ
黒田裕樹 > 無謀とも言える義経の「鵯越の逆落とし」は痛快ですね。
そうですね。常識でありえないことが起きると、人間は激しく動揺する…。これぞ奇襲ですね。
> しかし、奇跡はこれだけではなかかった(゜ロ゜)エェッ
> ・・・こ、こりゃぁ、明日も絶対続きを読まなきゃ(*゚▽゚*)
> ・・・って、う、うまい!黒田先生、益々冴えてきましたね。
有難うございます(^_^)v
何といっても続き物ですからね。やはり期待していただかないと(^^ゞ
> ところで広島には、マツダズムスタ以外にも平氏に縁のある厳島神社があります。
> 是非、3塁外野2階席以外は熱狂的カープファンで埋まるスタジアムとともに、訪れてみられるといいと思います(^^)/
重ねて有難うございます。何回か行ったことはありますよ。かなり潮が引いていたときがありまして、鳥居の近くまで歩いたことがありましたね。
それにしても、「熱狂的カープファン」のためにも、カープにはもっと頑張ってもらいたいのですが…(´・ω・`)
義経は奇襲攻撃を主体とした攻撃が得意だったんですね!
所で、もっと先のお話になるかと思いますが、
蝦夷地から、モンゴルに渡って現地でジンギスカンとして活躍した人物こそ
実は義経だったのではないかという説を説いた本が
出版された事があり、ロマンを感じた覚えがありましたが、
実際に科学的観点からは間違いであると後日発表されたようですね。
私としては、そのロマンの説の方を信じていたかったのですけれど^^
黒田さんは、いかがですか?
それでは、応援!
弁慶の泣き所~突き(^m^)ちょん、ちょん ちょん凸
ではなぜそのような伝説ができたのかについては…今しばらくお待ち下さいm(_ _)m
痛い、痛い~(>_<)
…って、何言わせるんですか(^^ゞ
ナポレオンを思い出します。
ナポレオンよりは早いんでしたっけ?
義経=チンギスハン説は…ちょっと夢みすぎな気もしますね。
あそこで清く散ってこそって気がします。私的には。
人の散り際ってのは重要ですよね。
織田信長とか。逆に織田信長を討った光秀の最後は…。
でも真田幸村といい、英雄にはかならずと言って良いほど生存説がありますよね。
皆、心の中では「英雄生存願望」ってのがあるんだと思います。得に当時の人々には。
私もこの武将がここでこうなって生きていれば…などと頭の中でSF妄想することがあります。
でもそういう俗説は信じてません。
そのままの英雄を信じたいですね。
私の学んでる歴史には分からない事や間違っていることも沢山ありますがそれを何年もかけて穴を埋めていくってのが良いとおもいます。
そうそう、珍説、俗説だったら「上杉謙信女性説」を先生にいつか触れて頂きたいです(笑)
ありえないとは思いつつちょっと強引な裏付けが多く、調べていて凄く面白かったですねーあの説は。
まさに珍説。
> ナポレオンを思い出します。
> ナポレオンよりは早いんでしたっけ?
ナポレオンは18世紀末~19世紀当初に活躍しましたから、そのとおりですね。ナポレオンについては、高校の世界史で詳しく学習できますよ。
> 義経=チンギスハン説は…ちょっと夢みすぎな気もしますね。
> あそこで清く散ってこそって気がします。私的には。
> 人の散り際ってのは重要ですよね。
> 織田信長とか。逆に織田信長を討った光秀の最後は…。
およよのよさんのお考えもごもっともです。「潔さ」の考えも我が国らしいですよね。光秀については…来月(8月29日)までお待ち下さいm(_ _)m
> でも真田幸村といい、英雄にはかならずと言って良いほど生存説がありますよね。
> 皆、心の中では「英雄生存願望」ってのがあるんだと思います。特に当時の人々には。
仰るとおりで、我が国の中では「悲劇的な最期を遂げた英雄を死なないことにしたい」という思想があるんですよね。これについては後に書きます。
> 私もこの武将がここでこうなって生きていれば…などと頭の中でSF妄想することがあります。
歴史の「if」の考えは大いに結構ですよ。そこから我々が生きていく知恵を見出すこともありますし。
> でもそういう俗説は信じてません。
> そのままの英雄を信じたいですね。
> 私の学んでる歴史には分からない事や間違っていることも沢山ありますがそれを何年もかけて穴を埋めていくってのが良いとおもいます。
およよのよさんはまだ中学生ですから、いくら歴史好きでも分からないことが多いかもしれませんね。
仰るとおり、「そのままの英雄」の状態から、少しずつ穴埋めして知識を深め、それを自分のものにしていければ、もっと視野が広がりますよ。
> そうそう、珍説、俗説だったら「上杉謙信女性説」を先生にいつか触れて頂きたいです(笑)
> ありえないとは思いつつちょっと強引な裏付けが多く、調べていて凄く面白かったですねーあの説は。
> まさに珍説。
これはまた新たな注文ですね…。「天地人」にもつながりますが、謙信の特集には確かに興味がありますね(^^♪
安徳天皇とは
「耳なし芳一」を思い出してしまいますな(笑)
実際の平家の無念と怨念は
凄まじかったのでしょうね。
対して繁栄する源氏
そして義経による奇跡
次回を期待します。
応援♪
> 「耳なし芳一」を思い出してしまいますな(笑)
> 実際の平家の無念と怨念は
> 凄まじかったのでしょうね。
怪談話が有名になっているほどですからね。それなのに、平家を滅ぼした張本人のはずの義経が英雄といわれているのも不思議な話です。
> 対して繁栄する源氏
> そして義経による奇跡
> 次回を期待します。
はい、どうぞご期待下さい(^_^)v
応援有難うございます!
待ちに待った源義経のお話、とうとう始まりましたね。
朝夕の更新のため、ペースがすごく早くて付いていくのがやっとです。
このままだと、あっという間に義経が去ってしまいますね。
この後も楽しみにしております!
ブログ上の歴史講座を優先させる意味で、実際に行った講座については一日2度の更新とさせていただいております。予定では土曜日の朝まで講座が続く予定ですので、今後も是非ご覧下さい!(^o^)丿
しかし、奇跡はこれだけではなかかった(゜ロ゜)エェッ
・・・こ、こりゃぁ、明日も絶対続きを読まなきゃ(*゚▽゚*)
・・・って、う、うまい!黒田先生、益々冴えてきましたね。
ところで広島には、マツダズムスタ以外にも平氏に縁のある厳島神社があります。
是非、3塁外野2階席以外は熱狂的カープファンで埋まるスタジアムとともに、訪れてみられるといいと思います(^^)/
そうですね。常識でありえないことが起きると、人間は激しく動揺する…。これぞ奇襲ですね。
> しかし、奇跡はこれだけではなかかった(゜ロ゜)エェッ
> ・・・こ、こりゃぁ、明日も絶対続きを読まなきゃ(*゚▽゚*)
> ・・・って、う、うまい!黒田先生、益々冴えてきましたね。
有難うございます(^_^)v
何といっても続き物ですからね。やはり期待していただかないと(^^ゞ
> ところで広島には、マツダズムスタ以外にも平氏に縁のある厳島神社があります。
> 是非、3塁外野2階席以外は熱狂的カープファンで埋まるスタジアムとともに、訪れてみられるといいと思います(^^)/
重ねて有難うございます。何回か行ったことはありますよ。かなり潮が引いていたときがありまして、鳥居の近くまで歩いたことがありましたね。
それにしても、「熱狂的カープファン」のためにも、カープにはもっと頑張ってもらいたいのですが…(´・ω・`)