天皇の憲法への強いご関心はそれだけではありませんでした。枢密院での審議は明治21年5月から翌明治22年1月までの8ヵ月間に49回行われましたが、明治天皇はその審議にほとんど出席されました。
審議において天皇は一言も発せられませんでしたが、それはご自身のご発言で審議における自由な言論が妨(さまた)げられることを好まれなかったため、敢(あ)えて一切(いっさい)の発言を控えられたからでした。
先述したように、明治天皇は事前に憲法学を究(きわ)められたことで審議の内容を詳(くわ)しく理解されており、また終了後には毎回のように議長の伊藤や草案をつくった井上毅をお呼びになって疑義(ぎぎ、疑問に思われる点のこと)のある内容を確認されたそうです。
枢密院における憲法審議の中心的ご存在として毎回出席され、その内容をすべて理解されておられた天皇の御前(ごぜん)でしたから、伊藤と始めとする枢密院の顧問官(こもんかん)らは常(つね)に緊張感(きんちょうかん)を持って審議せざるを得ず、それらが完成した憲法における権威や正当性を自然と高める結果につながったことは言うまでもありません。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち おはようございます!
今日のお話で、明治天皇に日本人としての
本来のあるべき姿を見たように感じました!
例えば、世界へ出ていくにしても、英語を流暢に使いこなせるのは確かに良いことかも知れませんが、多くを語りすぎる事でフレンドリーな印象は与えても、信頼や頼もしさ、或いは威圧感という
意味ではかけ離れてしまうと思います。
何も語らずとも、そこに存在しているだけで
周囲に与える重々しさ・・勿論、そういう雰囲気を周囲に与える人格そのものも、中身の濃い人生を歩んで来たからこそ、醸し出せる印象なのだと思いますが、心の安定、平常心を養う為にも、常に勉学に励み、軽率な言葉を発しないように努力していきたいものだと、改めて感じました。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりですね。
明治天皇のご姿勢が、私たちに日本人としての重要な何かを示してくださっておられるような思いがします。
今日のお話で、明治天皇に日本人としての
本来のあるべき姿を見たように感じました!
例えば、世界へ出ていくにしても、英語を流暢に使いこなせるのは確かに良いことかも知れませんが、多くを語りすぎる事でフレンドリーな印象は与えても、信頼や頼もしさ、或いは威圧感という
意味ではかけ離れてしまうと思います。
何も語らずとも、そこに存在しているだけで
周囲に与える重々しさ・・勿論、そういう雰囲気を周囲に与える人格そのものも、中身の濃い人生を歩んで来たからこそ、醸し出せる印象なのだと思いますが、心の安定、平常心を養う為にも、常に勉学に励み、軽率な言葉を発しないように努力していきたいものだと、改めて感じました。
応援凸
明治天皇のご姿勢が、私たちに日本人としての重要な何かを示してくださっておられるような思いがします。