つまり、日本を開国させるためには、従来のように下手(したて)に出るのではなく、強気の姿勢(しせい)で対応したほうが良いと判断したのです。こうしたアメリカの思惑によって、1853年6月(旧暦=きゅうれきです。以下同様)にアメリカ東インド艦隊司令長官のペリーが、4隻(せき)の黒船(くろふね)を率(ひき)いて浦賀に来航しました。
黒船は蒸気船であり、船上に多くの大砲を並(なら)べて空砲(くうほう)を放(はな)つなど、威嚇(いかく、威力をもっておどすこと)を加えながら幕府に対して開国を求めるフィルモア大統領の国書(こくしょ)の受理を迫(せま)りました。
これまでに見られなかったアメリカの強硬な態度に対して、抵抗(ていこう)をあきらめた幕府はやむなく国書を受け取り、回答を翌年に行うことを約束してようやくペリーを日本から退去させましたが、これは単なる結論の先送りに過ぎず、幕府はその後の対応に苦しむことになりました。
なお、同じ1853年7月には、ロシアのプチャーチンも長崎に来航して、国境の確定と開国を要求しています。




いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
トラックバック(0) |
晴雨堂ミカエル 歴史を学ぶ意義の1つに過去の失政を教訓にして現代に活かす事があります。
であるなら田沼への正当な評価とその後の時代錯誤政策の批判と反省が必要です。それを学校教育に定着させないと意味がありません。
国境の画定は田沼が着手しようとしていました。開国も視野に入れていました。
百年近くの政治的停滞は、日本の国益だけでなく、現在も続く欧米優位アジア蔑視につながりました。
この認識を定着しなければ、現政権も次の政権も同じ失敗を繰り返すでしょう。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、田沼の業績をもっと知らしめないと何のために歴史教育を行うのか意味が分からなくなります。
歴史を学ぶことで回避できるはずの、同じことの繰り返しによる失敗は二度と御免こうむりたいものですし、私がこのような形で言論活動を続ける意義もここにあります。
かなり、タイムリーな気が
青田です。 黒田先生
こんにちは
青田です。
今、TPPで、話題になっているだけに
この黒船の話に妙にダブります。
TPPは、アメリカは、自国に有利になるように
話をしていますが、
日本の首相も、日本の国益を考えて、TPPについて、考えて欲しいですね。
青田さんへ
黒田裕樹 狙ったわけではないんですが、偶然にもかぶってますね。
仰るとおり、政治家は「国益にかなうかどうか」を真剣に判断するかどうかが重要です。
であるなら田沼への正当な評価とその後の時代錯誤政策の批判と反省が必要です。それを学校教育に定着させないと意味がありません。
国境の画定は田沼が着手しようとしていました。開国も視野に入れていました。
百年近くの政治的停滞は、日本の国益だけでなく、現在も続く欧米優位アジア蔑視につながりました。
この認識を定着しなければ、現政権も次の政権も同じ失敗を繰り返すでしょう。
歴史を学ぶことで回避できるはずの、同じことの繰り返しによる失敗は二度と御免こうむりたいものですし、私がこのような形で言論活動を続ける意義もここにあります。
こんにちは
青田です。
今、TPPで、話題になっているだけに
この黒船の話に妙にダブります。
TPPは、アメリカは、自国に有利になるように
話をしていますが、
日本の首相も、日本の国益を考えて、TPPについて、考えて欲しいですね。
仰るとおり、政治家は「国益にかなうかどうか」を真剣に判断するかどうかが重要です。