また、大塩の考えに共鳴(きょうめい)した農民による一揆も多発するなどの不穏(ふおん)な情勢(じょうせい)がこの後も続くことになり、事態を重く見た幕府による綱紀粛正(こうきしゅくせい、国家の秩序やまた政治のあり方、または政治家や役人の態度を正すこと)のための改革をもたらしました。
しかし、困窮(こんきゅう)する庶民のためではなく、幕府の体面を保(たも)つことを何よりの目的とした改革が成功するはずもなく、遠からず破綻(はたん)する運命にあることはむしろ当然ともいえました。
ちなみに、大塩が乱を起こした当時の大坂町奉行は跡部良弼(あとべよしすけ)でしたが、実は彼は幕府の老中の実弟(じってい)でした。その老中こそが天保の改革を行った水野忠邦(みずのただくに)なのです。
(※明日[10月1日]からは第26回歴史講座の内容の更新を開始します)




いつも有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
この頃の庶民は今ではとても食料としては考えられないような(例えば、ワラなど)ものを最大限に取り入れて、主食に混ぜあわせたりして飢えをしのいでいたと聞いた事があります。先日、都内でも大規模な脱原発宣言に関するデモが行われた様ですが、それを知った外国がやっと日本も国民がこういう主張をするようになったかと安堵したと書かれていましたが、やはり日本人はいくら我慢強いからと言っても、最悪な状態が己の身に降り掛かって来たときには暴動なり反乱なりを起こすのはやはり人種を問わずに当然の成り行きであるのでしょうね。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 江戸時代の農民がほとんどコメが食べられなかったのは事実でないことが明らかになってきましたが、厳しい飢饉の際には仰ったような出来事があったようですね。生命の危機に人間が立ち上がるのはむしろ当然でしょう。
原発に関しては、反対を主張する人々の願いは理解できないことはありません。
ただし、私は現代社会(公民)の教師として、
1.福島原発事故で問題となった放射能が、かつての米ソや中国による核実験がもたらした放射能に比べて極めて微量であること。つまり、私たちは過去に大量の被ばくをしているが、大きな健康被害を受けていないという重い事実があります。セシウムなどの量についても大きな問題になっていますが、過去の核実験の際に調査していれば、もっと大量に検出されていた可能性が高いでしょう。にもかかわらず、私たちは無事に過ごしてきています。
2.我が国のエネルギー事情を考えれば、代替エネルギーが不安定な現状や、石油に依存する火力発電を選択するとしても、環境問題が解決されていませんし、もし石油の輸入が止まればたちまちエネルギー事情が悪化するという欠点があります。エネルギーがなくなれば、下手をすれば亡国にもつながりかねません。
3.トリウム原子炉のようにプルトニウムを出さないような最新型の原発であれば、地震や津波による被害防止を格段に高めることが可能です。福島原発の場合はかなりの旧型でしたし、地域にもっと大きな被害をもたらした女川原発には被害が出ていません。
このような事情を考慮した場合、反原発のみの選択肢を生徒たちに考えさせることが本当に正しいかどうかを見極める必要があると思います。
オバrev 大塩平八郎の乱とは関係ありませんが、公民の教師として原発のことを取り上げられていたので、このことについてコメントします。
私も原発推進でも、反原発でもありません。
ただ知りたいのは、恣意的でない、バイアスを取り除いた客観的、信頼性の高いデータを示して欲しいということです。
私自身、現時点で最大の問題は、正確な情報がない中での風評被害だと思っています。
正確なデータをきちっと示した来なかった、あるいはデータをHP等に載せているのに、それをしっかりアピールし説明してこなかった、専門家、官僚、政治家の責任は大きいと思います。
オバrevさんへ
黒田裕樹 ご意見ありがとうございます。
オバrevさんのお気持ちこそが、多くの日本人が疑問に感じていることだと私も思います。
放射能による被害は、かつての原爆や(広島のオバrevさんであればより切実な思いではないでしょうか)、チェルノブイリでの原発事故のような恐ろしい印象があると断じて、今回の被害と同一視する意見が多い一方で、正確なデータを示さずに不安のみをいたずらに煽っているのが現状です。
ところが、不安を真っ先に口にする人々に限って、数十年前から行われている米ソや中国などによる核実験がもたらした影響については固く口を閉ざしています。真実を語れば困ることでもあるんでしょうか。
いずれにせよ、過去の核実験を含めたあらゆるデータを分析した結果での発言でなければ、風評被害で我が国全体に不安を与えるだけの存在と断じざるを得ないようです。
一方、今回の原発事故について明確なデータを示し、過去と比較したうえで「安全である」という結論を導き出している識者も少なくありませんが、なぜかマスコミは彼らを出演させようとはしません。国民の不安をいち早く解消するためにも、彼らの意見に多くの人々が耳を傾ける機会が増えることを祈ります。
以上ここまで書きましたが、私は多くの国民が正常な判断ができるよう願ってはおりますが、教師としての立場上、個人による明確な意思表示は行なわないことを申し添えます。
明治維新との違い。
晴雨堂ミカエル 吉宗の改革は一応成功して、定信・忠邦の改革は失敗。一方、明治の富国強兵策も国内では士族の反乱、農民の一揆、民権派との抗争を抱え、国外ではロシアの圧迫と対峙しながら成功しました。定信や忠邦よりも難しい社会であったにも関わらずです。
一番の違いは、吉宗はまだ庶民の生活に視線があり、明治では実績をあげなければ滅びる切迫感がありました。
定信も忠邦も実を見ず実をあげることもせず、形の綺麗さのみにこだわった。これにつきます。ようするに危機感の欠如です。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、危機感を持つことで政治に対する本気度が違ってくると思います。
定信や忠邦のような、桃源郷でも見つけたかのような理想主義では何の対処もできません。もっとも、これは江戸時代の話だけではなく、20世紀に天文学的な数の犠牲者を出した壮大な実験を行って大失敗したにもかかわらず、幻想を抱きながら今もなお続けている「ある思想」にも通じることのような感じがしますが。
エネルギー問題
青田です。 黒田先生
こんばんは
青田です。
水野忠邦の弟が大阪町奉行だったとは
かなり、町奉行としての、素行がひどかったんですね。
話は、変わりますが、エネルギー問題について、
話題になったので、コメントをさせて頂きます。
① ソフトバンクの孫氏が、太陽光発電が代替エネルギーと語っています。
日本にある休耕地を利用するという考えらしいですが、
私は、異論があります。
まず、なぜ、休耕地かと言えば、
(1)日照度が低い。
(2) 耕地として、適してない地形である。
などの理由で、休耕地の場合が多いからです。
そんな場所に大規模なソーラーシステムを建設しても、費用が莫大にかかり、逆に電気料金が掛ってしまいます。
さらに
『自然エネルギー』は、優しいという言い方をしますが、『自然』ほど、厳しく、しかも、不安定なものは、ありません。
② 今は、現実的な話として、やはり、原子力発電に頼るしかないと思います。
長期的には、代替エネルギーの開発は、薦めていくとして
③ 余談ですが、四国電力の伊方原発は、瀬戸内海に面していて、内海なので、津波の心配は、比較的少ないと思います。もちろん、直下型なら、防げませんが、、
青田さんへ
黒田裕樹 跡部については確かにとんでもない奉行です。ところが、忠邦が失脚した後も出世を重ねているんですよね。彼のような人物が生き残ったということ自体が、幕府の腐敗ぶりを如実に表しているのかもしれません。
エネルギー問題に関しては私も概ね賛同します。ご意見ありがとうございました。
時代劇のヒーロー
青田です。 黒田先生
おはようございます。
青田です。
跡部良弼について、怒りと憤りを感じます。
もしかしたら、大塩平八郎は、その当時の庶民にとっては、
(名もなき元与力)
時代劇の『破れ傘刀舟』の刀舟のような悪人に立ち向かうヒーローだったような気がします。
(名もなき町医者)
なぜなら、自分自身が、町奉行の与力だった大塩平八郎にとって、反乱を起こして、成功するとは
本人も考えてなかったと思うからです。
それでも、今の民衆の暮らしと役人の腐敗を観ると自分が立ちあがらないといけないと思ったんでしょうね。
どうにも、やりきれない切ない気持ちになります。
青田さんへ その2
黒田裕樹 仰るとおり、跡部の件も含めてやりきれない思いですね。
だからこそ、人間は天下無敵のヒーローを求めるのだと思います。
「ある思想」について。
晴雨堂ミカエル 「ある思想」とは、かつて身近にいた事があります。選対事務所の立ち上げでは、「ある思想」を象徴する勇ましい歌を合唱したものです。
「ある思想」は、チェック機関の役割なら素晴らしいと今でも思いますが、天下はとってはいけないと思い知りました。
信仰と化した思想はろくな事がありません。
私が田沼を敬服するのは、思想宗教の奴隷ではなかったからです。
晴雨堂ミカエルさんへ その2
黒田裕樹 そこまで来るとまさしく宗教ですね。
政治と宗教が結び付くとろくなことがありません。
田沼意次については仰るとおりですね。
権力闘争
青田です。 時代劇『破れ傘刀舟』の最終回のオープニングのナレーションです。
http://members2.jcom.home.ne.jp/sforest/tousyuu/tousyuu131.htm
『大塩平八郎の乱の直後。十一代将軍家齊はその職を家慶に譲り
大御所となった。
しかし、依然として政治の実験を握り続けたのである。
そのことは権力奪取、改革の機会を狙う老中水野忠邦派と大御所系水野忠篤派との
激しい確執を呼び、その争いはこれから三年余も続くのである。』
もし、これが創作ではなく、事実なら、国難(飢饉)が起こっているのに
幕府内部で、権力闘争をしていたのですね。
こういう背景を考えると、幕末の倒幕・明治維新は、必然だった気がします。
ただ、明治維新まで、この状況から、30年というのは、長いですね。
なぜか、この前の民主の代表選の時の権力闘争とだぶって見えてきます。
(小沢派vs 反小沢派)
今の政治が長く、続くことを考えるとぞっとします。
青田さんへ その3
黒田裕樹 時代劇は史実に反している部分が多い(日本刀はあんなに何度も人を斬れません)一方で、時代考証がしっかりしているところがあります。
将軍の地位をなかなか譲らず、譲った後も大御所として君臨した家斉と、なかなか政治の実権を握れない家慶との間には、本人同士の思惑はともかく、周囲が対立を煽るのは必然と言えるでしょう。
ひるがえって、次の衆議院選挙まで少なくともあと2年弱。選んだ国民の責任は重いのはもちろんですが、この不景気に政治は何をやっているのでしょうか。
この頃の庶民は今ではとても食料としては考えられないような(例えば、ワラなど)ものを最大限に取り入れて、主食に混ぜあわせたりして飢えをしのいでいたと聞いた事があります。先日、都内でも大規模な脱原発宣言に関するデモが行われた様ですが、それを知った外国がやっと日本も国民がこういう主張をするようになったかと安堵したと書かれていましたが、やはり日本人はいくら我慢強いからと言っても、最悪な状態が己の身に降り掛かって来たときには暴動なり反乱なりを起こすのはやはり人種を問わずに当然の成り行きであるのでしょうね。
応援凸
原発に関しては、反対を主張する人々の願いは理解できないことはありません。
ただし、私は現代社会(公民)の教師として、
1.福島原発事故で問題となった放射能が、かつての米ソや中国による核実験がもたらした放射能に比べて極めて微量であること。つまり、私たちは過去に大量の被ばくをしているが、大きな健康被害を受けていないという重い事実があります。セシウムなどの量についても大きな問題になっていますが、過去の核実験の際に調査していれば、もっと大量に検出されていた可能性が高いでしょう。にもかかわらず、私たちは無事に過ごしてきています。
2.我が国のエネルギー事情を考えれば、代替エネルギーが不安定な現状や、石油に依存する火力発電を選択するとしても、環境問題が解決されていませんし、もし石油の輸入が止まればたちまちエネルギー事情が悪化するという欠点があります。エネルギーがなくなれば、下手をすれば亡国にもつながりかねません。
3.トリウム原子炉のようにプルトニウムを出さないような最新型の原発であれば、地震や津波による被害防止を格段に高めることが可能です。福島原発の場合はかなりの旧型でしたし、地域にもっと大きな被害をもたらした女川原発には被害が出ていません。
このような事情を考慮した場合、反原発のみの選択肢を生徒たちに考えさせることが本当に正しいかどうかを見極める必要があると思います。
私も原発推進でも、反原発でもありません。
ただ知りたいのは、恣意的でない、バイアスを取り除いた客観的、信頼性の高いデータを示して欲しいということです。
私自身、現時点で最大の問題は、正確な情報がない中での風評被害だと思っています。
正確なデータをきちっと示した来なかった、あるいはデータをHP等に載せているのに、それをしっかりアピールし説明してこなかった、専門家、官僚、政治家の責任は大きいと思います。
オバrevさんのお気持ちこそが、多くの日本人が疑問に感じていることだと私も思います。
放射能による被害は、かつての原爆や(広島のオバrevさんであればより切実な思いではないでしょうか)、チェルノブイリでの原発事故のような恐ろしい印象があると断じて、今回の被害と同一視する意見が多い一方で、正確なデータを示さずに不安のみをいたずらに煽っているのが現状です。
ところが、不安を真っ先に口にする人々に限って、数十年前から行われている米ソや中国などによる核実験がもたらした影響については固く口を閉ざしています。真実を語れば困ることでもあるんでしょうか。
いずれにせよ、過去の核実験を含めたあらゆるデータを分析した結果での発言でなければ、風評被害で我が国全体に不安を与えるだけの存在と断じざるを得ないようです。
一方、今回の原発事故について明確なデータを示し、過去と比較したうえで「安全である」という結論を導き出している識者も少なくありませんが、なぜかマスコミは彼らを出演させようとはしません。国民の不安をいち早く解消するためにも、彼らの意見に多くの人々が耳を傾ける機会が増えることを祈ります。
以上ここまで書きましたが、私は多くの国民が正常な判断ができるよう願ってはおりますが、教師としての立場上、個人による明確な意思表示は行なわないことを申し添えます。
一番の違いは、吉宗はまだ庶民の生活に視線があり、明治では実績をあげなければ滅びる切迫感がありました。
定信も忠邦も実を見ず実をあげることもせず、形の綺麗さのみにこだわった。これにつきます。ようするに危機感の欠如です。
定信や忠邦のような、桃源郷でも見つけたかのような理想主義では何の対処もできません。もっとも、これは江戸時代の話だけではなく、20世紀に天文学的な数の犠牲者を出した壮大な実験を行って大失敗したにもかかわらず、幻想を抱きながら今もなお続けている「ある思想」にも通じることのような感じがしますが。
こんばんは
青田です。
水野忠邦の弟が大阪町奉行だったとは
かなり、町奉行としての、素行がひどかったんですね。
話は、変わりますが、エネルギー問題について、
話題になったので、コメントをさせて頂きます。
① ソフトバンクの孫氏が、太陽光発電が代替エネルギーと語っています。
日本にある休耕地を利用するという考えらしいですが、
私は、異論があります。
まず、なぜ、休耕地かと言えば、
(1)日照度が低い。
(2) 耕地として、適してない地形である。
などの理由で、休耕地の場合が多いからです。
そんな場所に大規模なソーラーシステムを建設しても、費用が莫大にかかり、逆に電気料金が掛ってしまいます。
さらに
『自然エネルギー』は、優しいという言い方をしますが、『自然』ほど、厳しく、しかも、不安定なものは、ありません。
② 今は、現実的な話として、やはり、原子力発電に頼るしかないと思います。
長期的には、代替エネルギーの開発は、薦めていくとして
③ 余談ですが、四国電力の伊方原発は、瀬戸内海に面していて、内海なので、津波の心配は、比較的少ないと思います。もちろん、直下型なら、防げませんが、、
エネルギー問題に関しては私も概ね賛同します。ご意見ありがとうございました。
おはようございます。
青田です。
跡部良弼について、怒りと憤りを感じます。
もしかしたら、大塩平八郎は、その当時の庶民にとっては、
(名もなき元与力)
時代劇の『破れ傘刀舟』の刀舟のような悪人に立ち向かうヒーローだったような気がします。
(名もなき町医者)
なぜなら、自分自身が、町奉行の与力だった大塩平八郎にとって、反乱を起こして、成功するとは
本人も考えてなかったと思うからです。
それでも、今の民衆の暮らしと役人の腐敗を観ると自分が立ちあがらないといけないと思ったんでしょうね。
どうにも、やりきれない切ない気持ちになります。
だからこそ、人間は天下無敵のヒーローを求めるのだと思います。
「ある思想」は、チェック機関の役割なら素晴らしいと今でも思いますが、天下はとってはいけないと思い知りました。
信仰と化した思想はろくな事がありません。
私が田沼を敬服するのは、思想宗教の奴隷ではなかったからです。
政治と宗教が結び付くとろくなことがありません。
田沼意次については仰るとおりですね。
http://members2.jcom.home.ne.jp/sforest/tousyuu/tousyuu131.htm
『大塩平八郎の乱の直後。十一代将軍家齊はその職を家慶に譲り
大御所となった。
しかし、依然として政治の実験を握り続けたのである。
そのことは権力奪取、改革の機会を狙う老中水野忠邦派と大御所系水野忠篤派との
激しい確執を呼び、その争いはこれから三年余も続くのである。』
もし、これが創作ではなく、事実なら、国難(飢饉)が起こっているのに
幕府内部で、権力闘争をしていたのですね。
こういう背景を考えると、幕末の倒幕・明治維新は、必然だった気がします。
ただ、明治維新まで、この状況から、30年というのは、長いですね。
なぜか、この前の民主の代表選の時の権力闘争とだぶって見えてきます。
(小沢派vs 反小沢派)
今の政治が長く、続くことを考えるとぞっとします。
将軍の地位をなかなか譲らず、譲った後も大御所として君臨した家斉と、なかなか政治の実権を握れない家慶との間には、本人同士の思惑はともかく、周囲が対立を煽るのは必然と言えるでしょう。
ひるがえって、次の衆議院選挙まで少なくともあと2年弱。選んだ国民の責任は重いのはもちろんですが、この不景気に政治は何をやっているのでしょうか。