意次は老中を追われてからわずか数年で亡くなり、自己(じこ)の非難に対する弁解の機会が永久に失われてしまいました。一方、定信は老中を辞めさせられた後も白河藩主として30年以上も生き続けて、その間に多くの著作を残して田沼時代を徹底的に非難することができました。
さらに幕府は身分による秩序(ちつじょ)を重視していたので、低い出自(しゅつじ)から成り上がった意次よりも、将軍吉宗の孫という血筋を持つ定信の主張を優先する傾向があり、加えて定信が幕府の公式学問である朱子学の優秀な学者であったことも、定信によって意図的(いとてき)につくられた意次の「悪人像」が後世(こうせい)にまで残ってしまう原因となってしまったのです。
さて、一時は意次による政治を激(はげ)しく憎んだ民衆(みんしゅう)も、定信による寛政の改革が失敗したことで田沼時代を懐(なつ)かしみ、以下の狂歌(きょうか、日常を題材に洒落=しゃれや風刺=ふうしを盛り込んだ短歌のこと)を残しています。
「白河の 清きに魚(うお)の すみかねて もとの濁(にご)りの 田沼こひしき」




いつも有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
いくら嘘で塗り固めようとしても、人の目というのはやはり欺けないものですね。
一時はその言葉に踊らされる事はあっても、やはり
本当に良いもの、正しい事というのは、永遠に不動のものであり、いづれはまた見直される宿命にあるのだと思いました。意次が存命中は、その良さが世間に認められず、評価されなかったのは、本人にとって悔いが残るものであったかも知れませんが、懸命に世に尽くしたという思いだけを心の支えにその使命を終えたものと信じたいものです。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、一時期は国民の目を欺くことができても、時が経てば真理は必ず現れ、後世の厳しい審判を受けることになります。
最晩年は不遇であった意次の名誉を回復することは、本人の為であると同時に、混迷する昨今の政治に対する絶好の処方箋になるのではないでしょうか。
HANA子 まったくもって「勝者が作る歴史」以外のなにものでもない感じですね
結局昨今の情報化社会への警鐘と同じ、虚偽と真実をきちんと見分ける眼を持たなければ何も出来ないのと同じだってやつですか
知らないってことは本当に怖いことだと思います
学校の授業では社会風刺の一例としてしか取り上げられない「白河の~」の狂歌ですけど、これにはもっと切実な民衆の声が込められていたのかもしれまえんね
HANA子さんへ
黒田裕樹 現代のような情報化社会だからこそ、メディアリテラシーが重要になってくるでしょうね。知らないことや騙されていることが罪になる時代は御免です。
狂歌は洒落が主流ですが、仰るようにそんな中にも庶民の悲鳴が隠されているのかもしれませんね。
ろっぽん コミック乱 2006 年4月号に掲載された、江戸時代の戯作師・山東京伝をモチーフにした短編。寛政の改革で処罰された京伝は断筆を決意するが――。例の都条例の騒動を4年前に予見したかの...「はぐらし京伝」というPaboo電子書籍の紹介文ですが
それに「白河の 清きに魚(うお)の すみかねて もとの濁(にご)りの 田沼こひしき」という
狂歌が白壁に落書されてるラストです。
私はこのコミックから水が清いとかえって魚がすめないと解釈していましたが言論の自由を統制した
田沼意次の狂歌と勘違いしていました。
黒田さんも電子書籍を出版してみては紙の書籍のようにリスクはありません。
15万ヒットも出してるブログだもキット1000部位は売れるよ
自分はたった10部しか売れませんでした
ろっぽんさんへ
黒田裕樹 なるほど、電子書籍ですか。
いつかは売れるような物語作家になりたいものですね。
Naoko 目からうろこの事実です。いつの時代も情報統制を計る輩がいるのですね。
わが国に対する汚名もいつか晴らすために私もがんばります。
Naokoさんへ
黒田裕樹 残念ながら情報統制は時代を超えていつも行われる危険性が高いです。
真実を見極めることが仰るとおり我が国の汚名を返上できる絶好の機会ですから、私も頑張ります。
いくら嘘で塗り固めようとしても、人の目というのはやはり欺けないものですね。
一時はその言葉に踊らされる事はあっても、やはり
本当に良いもの、正しい事というのは、永遠に不動のものであり、いづれはまた見直される宿命にあるのだと思いました。意次が存命中は、その良さが世間に認められず、評価されなかったのは、本人にとって悔いが残るものであったかも知れませんが、懸命に世に尽くしたという思いだけを心の支えにその使命を終えたものと信じたいものです。
応援凸
最晩年は不遇であった意次の名誉を回復することは、本人の為であると同時に、混迷する昨今の政治に対する絶好の処方箋になるのではないでしょうか。
結局昨今の情報化社会への警鐘と同じ、虚偽と真実をきちんと見分ける眼を持たなければ何も出来ないのと同じだってやつですか
知らないってことは本当に怖いことだと思います
学校の授業では社会風刺の一例としてしか取り上げられない「白河の~」の狂歌ですけど、これにはもっと切実な民衆の声が込められていたのかもしれまえんね
狂歌は洒落が主流ですが、仰るようにそんな中にも庶民の悲鳴が隠されているのかもしれませんね。
それに「白河の 清きに魚(うお)の すみかねて もとの濁(にご)りの 田沼こひしき」という
狂歌が白壁に落書されてるラストです。
私はこのコミックから水が清いとかえって魚がすめないと解釈していましたが言論の自由を統制した
田沼意次の狂歌と勘違いしていました。
黒田さんも電子書籍を出版してみては紙の書籍のようにリスクはありません。
15万ヒットも出してるブログだもキット1000部位は売れるよ
自分はたった10部しか売れませんでした
いつかは売れるような物語作家になりたいものですね。
わが国に対する汚名もいつか晴らすために私もがんばります。
真実を見極めることが仰るとおり我が国の汚名を返上できる絶好の機会ですから、私も頑張ります。