古代の天皇には、高いところにのぼって国を見渡し、その様子を褒(ほ)め称(たた)えることによって、天皇のお言葉で国を良くするという「国見(くにみ)」の風習がありました。ある日のこと、仁徳天皇は難波高津宮(なにわのたかつのみや)から人家(じんか)を眺(なが)められた際に、かまどから煙が立ちのぼっていないことに気が付かれました。
「民のかまどより煙がたちのぼらないのは、貧しくて炊くものがないからではないか。都ですらこうなのだから、地方はなおひどいことであろう」。そう思われた仁徳天皇はすぐさま3年間税を免除され、宮殿の屋根が傷んでもそのままにされていました。
やがて3年が経ち、改めて宮殿から外を眺められると、人家のあちこちのかまどから煙が立ちのぼっていました。国民が食事をできるようになって良かったと天皇は満足げにその様子を見つめられるとともに、以下の御製(ぎょせい、天皇による和歌のこと)をお詠(よ)みになったと伝えられています。
「高き屋(や)に のぼりて見れば 煙(けぶり)立つ 民(たみ)のかまどは にぎはひにけり」
以上は有名な「民のかまど」のエピソードですが、実はこの話には続きがあります。
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