耕作用の農具には木製の鋤(すき)や鍬(くわ)が用いられ、収穫の際には石包丁(いしぼうちょう)を使用して、稲が実った部分のみを直接刈り取る穂首刈(ほくびが)りが行われました。また、もみがらを取り去る脱穀(だっこく)の際には竪杵(たてぎね)や竪臼(たてうす)が用いられ、収穫された稲を保存するための高床(たかゆか)倉庫や貯蔵穴もつくられました。
なお、収穫物を高床に、つまり床を地面より上にして保存した理由は風通しを良くするためです。収穫物を地面に直接置くと風通しが悪くなって腐敗(ふはい)してしまいますが、高床式にして風通しを良くすれば、収穫物が乾燥(かんそう)して腐敗を防ぐことができます。
高床倉庫には鼠(ねずみ)の侵入を防ぐための「ねずみ返し」がついていました。倉庫を支える柱に板状のものを取りつけたのですが、現代でも電柱などに「ねずみ返し」が使われています。
また、神社建築様式のひとつである神明造(しんめいづくり)は、この高床倉庫から発展したものと考えられています。そういえば、掘立柱(ほったてばしら)に茅葺(かやぶき)屋根が大きな特徴の伊勢神宮の神明造は、高床倉庫の外観とどこか似ていますよね。
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