こうした尊氏のいわゆる「負の遺産」をどう処理すればよいのかという大きな課題が、室町幕府代々の将軍を悩ませるとともに、我が国の歴史にも大きな影響を及ぼしていくのです。
ところで、この時代までに分割相続による惣領制(そうりょうせい)が崩壊(ほうかい)したことで単独相続が一般的になり、庶子(しょし)が惣領に扶養(ふよう、養ってもらうこと)されるようになりました。
その結果として、各地の武士団の内部で支配権をめぐる対立や分裂が激しくなりました。そして、対立した片方が北朝につけばもう片方は南朝につくなど、武士団の争いが南北朝と結びついたことによって動乱がさらに拡大してしまったのです。
これらの動きは、地方の武士団の結びつきが、それまでの血縁的な結合から地縁的(ちえんてき)結合へと変化していく流れをもたらしました。そして、惣領から独立するようになった庶子家や弱小御家人を支配下におさめ、勢力を拡大しようとする守護も現れるようになりました。
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