なぜなら、アメリカは広大な領土とそこに眠る資源を持っており、またイギリスも世界各地に植民地を持っていたことから、両国とも自給自足による国家の運営が可能だったからです。その他にもフランスやオランダ、あるいはソ連といった国々も、同じく自給自足によってブロック経済を乗り切ろうとしました。
しかし、第一次世界大戦によってすべての植民地を失ったドイツにとって、ブロック経済による貿易の抑止は死活問題でした。ブロック経済によって多くの失業者が町にあふれるという危機を迎えたドイツでしたが、そんなときに救世主が現れました。
彼こそが、ナチス(=国家社会主義ドイツ労働者党)を率いて1933(昭和8)年に政権を握ったヒトラーでした。ヒトラーは賠償金の支払いの破棄を宣言したほか、新たな体制の構築によって自給自足が可能な国家の建設をめざし、やがては他国との戦争を模索(もさく)するようになるのです。
なお、同じように経済的に苦しんでいたイタリアでは、1922(大正11)年に政権を得ていたファシスト党のムッソリーニが、領土の獲得をめざして1935(昭和10)年にエチオピアへ侵入しています。
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