しかし、当日の決済を終えていた東京渡辺銀行は、現実には破綻していなかったのです。にもかかわらず、議会において「破綻した」と口走ったのは、片岡蔵相による「痛恨の失言」以外の何物でもありませんでした。
かくして、大蔵大臣に「破綻」を宣告された東京渡辺銀行に預金者が引き出しに詰めかけたことで、翌日には「本当に休業に追い込まれた」だけでなく、東京渡辺銀行の破綻を不安に思った人々が他の中小銀行にも預金引き出しに殺到するという「取り付け騒ぎ」を起こしたため、他の銀行も連鎖反応のように次々と休業を余儀(よぎ)なくされてしまいました。
これらの動きは、今日では「金融恐慌(きんゆうきょうこう)」と呼ばれています。政府は日本銀行による非常貸し出しでこの騒ぎを何とか沈めましたが、金融恐慌の流れは「別の大手銀行」の経営破綻によって、さらに拍車をかけることになってしまうのです。
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