その他、西洋の近代史学の影響を受けた実証的な研究も進み、帝国大学教授の久米邦武(くめくにたけ)がその先駆者となりましたが、その研究内容が伝統的な思想と衝突(しょうとつ)することもあり、久米が明治24(1891)年に発表した論文「神道は祭天(さいてん)の古俗(こぞく)」が神道家などからの攻撃を受け、翌年に教授の職を追われるということもありました。
自然科学では、様々な分野において、それぞれが世界の科学の進歩に貢献しました。例えば、物理学では田中館愛橘(たなかだてあいきつ)が地磁気の測定で、長岡半太郎(ながおかはんたろう)が原子構造の研究で成果を上げました。
また医学では、令和6(2024)年から新たに発行される我が国の千円札の肖像画(しょうぞうが)に採用された北里柴三郎(きたざとしばさぶろう)が、ペスト菌など細菌学の研究や、伝染病研究所の創設などを行いました。
この他、志賀潔(しがきよし)が赤痢菌(せきりきん)を発見し、秦佐八郎(はたさはちろう)がサルバルサン(=梅毒の特効薬)の創製を行いましたが、この二人はいずれも北里柴三郎に師事しています。また、我が国の現在の千円札の肖像画で有名な野口英世(のぐちひでよ)が梅毒スピロヘータの研究を行ったことで知られていますが、彼も北里の伝染病研究所に所属した経験があります。
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