最初に考えられるのは、鎖国の状態に入った頃の我が国は戦国時代が終わったばかりで、数十万の兵士や鉄砲が存在していたことでした。当時これだけの兵力や武器を所有している国は他になく、ヨーロッパ諸国といえどもそう簡単には攻められません。
また、この頃はヨーロッパ諸国において大きな変化があり、それまでのイスパニアやポルトガルの国力が衰える一方で、新たにイギリスやオランダが勢力を伸ばしつつありましたが、両国がカトリックを信仰していなかったことも我が国には良い結果をもたらしました。
さらには、当時の我が国が鉄砲の増産を可能とするなど先進的な文化を持っており、海外との結びつきがなくても自国だけで十分に経済や文化が発展できたことや、島国であるがゆえに、海という「天然の防壁」が我が国の防衛力を高めていたことも考えられます。
しかしながら、これは同時に、もし当時の我が国にとって「長所」となっていた様々な利点が失われてしまえば、一転して我が国は苦しい立場に追い込まれてしまうことも意味しました。そして、その不安は約200年後に現実のものとなってしまうのです。
(※第79回歴史講座の内容はこれで終了です。次回からは、リニューアルした通史の明治時代の更新の続編を開始します)
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