しかし、無政府主義者の運動は思ったよりも伸び悩みました。産業革命によって我が国にも労働者階級と資産階級との貧富の差が生じつつありましたが、そもそも我が国には「天皇陛下の前では全員が平等である」という国民の根強い思いがあったことや、無政府主義の長所をいくら訴えたところで、従来の体制を打破する目的で話題がひとたび皇室に触れると、相手の多くが耳を傾けなくなったからです。
このため、幸徳の周辺では、いつしか天皇を害して国民の崇敬(すうけい)の念を打ち破ることで社会主義(=無政府主義)を達成しようという考えがまかり通るようになり、実際に明治天皇を暗殺するための爆弾が製作されました。
しかし、彼らの動きはやがて警察の知るところとなり、明治43(1910)年に幸徳をはじめとして多数の社会主義者が検挙されました。これを「大逆(たいぎゃく)事件」といいます。
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