特に、マルクスによる「貧富の差を憎むとともに、私有財産制をやめて資本を人民で共有する」という共産主義の考えは、当時プロレタリアートと呼ばれた賃金労働者の人々から熱烈な支持を受けました。
そもそもヨーロッパでは、長い歴史の中で王族や貴族、あるいは騎士や商人など、ほんの一握りの富裕層と、9割以上の農民ら貧民層との激しい貧富の差がありましたが、貧しい人々が多過ぎたことで、かえって平等に映っていました。
それが、産業革命で新たに収入を得た中産階級(=ブルジョワジー)が増え、富裕層と貧民層との割合が4:6あたりまで縮まったことで、それまで目立たなかった貧富の差が、プロレタリアートを中心に強烈に意識されるようになってしまったのです。
マルクスの言葉は貧しい人々の耳に心地よく響くとともに、彼らの富裕層への嫉妬心(しっとしん)をかきたてました。この流れは、やがて19世紀から20世紀にかけて大きな歴史のうねりを起こし、ついには人類史上初の共産主義国家を誕生させてしまうのです。
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