また、同じ明治33(1900)年の調査によって労働者の88%が女性であったことが分かっていますが、当時は女工(じょこう)、または工女(こうじょ)と呼ばれた女子労働者の多くは、家計を助けるために出稼ぎにきた農民出身の若い女性で、低賃金のうえ過酷な長時間労働を続けていました。
一方、男子労働者は鉱山業や運輸業など肉体労働を強(し)いられる環境で多数が働かされましたが、こうした当時の労働者の厳しい生活ぶりは、明治21(1888)年に三菱が経営する高島炭鉱での労働者の実情を暴露(ばくろ)した雑誌「日本人」や、明治32(1899)年刊行の「日本之下層社会(にほんのかそうしゃかい)」、明治36(1903)年刊行の「職工事情(しょっこうじじょう)」などで明らかになりました。
なお、こうした賃金労働者の境遇は、我が国だけでなく当時の世界の多くの資本主義国家が同様の問題を抱えており、20世紀に入ってから、国家が国民に人間らしい生活を保障する「社会権」という新たな概念が生まれています。
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