第11条の正確な内容は「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに国内外の他の連合国戦争犯罪法廷の『諸判決』を受諾する」ですが、当時の外務省によって「諸判決」が「裁判」と誤訳されてしまったのです。
「日本は『極東国際軍事裁判(=東京裁判)』の『諸判決』を受諾する」という条約の正式な英文は「Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East.」ですが、これが「裁判を受諾する」という英語であれば「Japan accepts the judgment of the International Military Tribunal for the Far East.」と言う表記となります。
この場合なら、相当無理をして「単数形」の「judgment」を「裁判」と訳したうえで「日本は極東軍事法廷の裁判を受諾する」と全体を翻訳することは有り得るかもしれませんが、正式な条文では、そのような「誤解」をなくすため、英語の正文で「複数形」たる「judgments」としました。「裁判」ではなく「諸判決」であることを明確にする意図があったためと考えられます。
さらに付け加えれば、これが「日本は極東国際軍事裁判そのものを受諾する」となると、英語の直訳では「Japan accepts the International Military Tribunal for the Far East.」という表記となりますから「the judgments of」がなくなります。従って、条文を「裁判」と訳したのは明らかに「誤訳」であり、条約を調印した最初の段階から、我が国に贖罪(しょくざい、犯した罪をつぐなうこと)意識を植えつけるといったような、何らかの意図や思惑があったのではとも疑われるのです。
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