理由はどうあれ、日英同盟の破棄によって、我が日本は強力な同盟国であるイギリスを失うことになりました。この後、アメリカは事実上孤立無援となった日本を狙い撃ちし、我が国をますます追いつめるようになるのです。
一方、日英同盟の破棄はイギリスにとっても致命的でした。日英同盟があったからこそ、イギリスはアジアに気を配らずに済み、第一次世界大戦においてヨーロッパ大陸に兵力を集中させることができたのです。
しかし、日英同盟が破棄されてからわずか20年で大東亜戦争が始まり、イギリスは戦艦プリンス・オブ・ウェールズが日本によって轟沈(ごうちん)させられるなど大きな損害を受けました。さらには、同じ有色人種である日本の奮戦に勇気づけられた、インドやシンガポールなどが戦後に次々と独立し、気が付けば植民地の大半を失ってしまいました。
一つの外交同盟の存在の有無が、世界中にかくも大きな影響をもたらすようになってしまうのです。日英同盟の終わりこそが、その後の我が国と世界の運命に甚大な影響を与えたことを、現代の日本人は忘れてしまっていますが、この事実はもっと意識されるべきことです。
※下記の映像は5月1日までの掲載分をまとめたものです。
(※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」が始まりました。詳しくは下記のバナーをご覧ください)
※平成28年4月13日(水)創刊!無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。




いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。