「開戦当時の責任者として敗戦のあとをみると、実に断腸の思いがする。今回の刑死は、個人的には慰められておるが、国内的の自らの責任は、死をもって贖(あがな)えるものではない。しかし国際的の犯罪としては、無罪を主張した。いまも同感である。ただ力の前に屈服した。
自分としては国民に対する責任を負って、満足して刑場に行く。ただこれにつき、同僚に責任を及ぼしたこと、また下級者にまでも刑が及んだことは実に残念である。天皇陛下に対し、また国民に対しても申し訳ないことで、深く謝罪する。
元来、日本の軍隊は、陛下の仁慈(じんじ)の御志(みこころざし)により行動すべきものであったが、一部過ち犯し、世界の誤解を受けたのは遺憾であった。このたびの戦争に従軍して斃(たお)れた人、およびこれらの人々の遺家族に対しては、実に相済(あいす)まぬと思っている。心から陳謝する。
今回の裁判の是非に関しては、もとより歴史の批判に待つ。もしこれが永久平和のためということであったら、もう少し大きな態度で事に臨まなければならぬのではないか。この裁判は、結局は政治裁判に終わった。勝者の裁判たる性質を脱却せぬ。
※下記の映像は5月12日までの掲載分をまとめたものです。
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ぴーち こんばんは!
戦争は一人の人間が
起こすものかもしれませんが、
それを終わらせる為には
一人の人間の人知を越えた力に頼るしか
有りません。
確かに始めた人間の責任は重いかも知れませんが
それを容認し、賛同し、従って事を
起した人間たち全ての責任でもあるように
思います。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 私もそう思います。
少なくとも、東條元首相にすべての責任を押しつけて頬かむりすることは間違いですね。