途方に暮れた義家は、自腹を切って部下に恩賞を与えましたが、皮肉にもこのことで義家は東国の武士たちの心をとらえ、源氏を棟梁と仰ぐ深い信頼関係が生まれたのです。
なお、前九年の役は11年、後三年の役は4年続いているのに、なぜ「九年」「三年」と名づけられているかについては、様々な説が挙げられていますが、正確には分かっていません。
後三年の役の勝者となった清原清衡は、源義家が東北を去った後に、藤原氏に復姓して藤原清衡(ふじわらのきよひら)を名乗り、豊富な資金力で工作した結果、朝廷から陸奥の支配権を認めてもらいました。
藤原清衡は奥州の平泉(ひらいずみ、現在の岩手県平泉町)を本拠地(ほんきょち)として陸奥を完全に手中に収め、清衡の子である藤原基衡(ふじわらのもとひら)、さらに基衡の子である藤原秀衡(ふじわらのひでひら)の三代、約100年にわたって奥州藤原氏が全盛を極める基礎を固めたのです。
※下記の映像は12月25日までの掲載分をまとめたものです。
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ぴーち こんばんは!
元から心根に慈悲の思いが強く宿っている人は
どんなに惨めな立場に追いやられたとしても
常に他の人間を気遣う気持ちで
必ず自分自身も救われていくものだと思いますね。。。
地方創生の手本
青田です。 青田です。
なぜか、私の周りの歴史好きに、この奥州藤原氏の話をすると、
盛り上がりません。東北出身の人も、あまり、興味がないようです。
私にすれば、この奥州藤原氏は、もの凄い偉業を成し遂げました。
① 東北を一つにした。
→ それまで、東北は、度重なる戦いの連続で殺し合い、人心がバラバラになっていました。
それを奥州藤原氏は、一つにまとめました。
② 文化地域にした。
→ 当時、東北地方は、京都からすると、蝦夷と蔑称で、呼ばれ、文化的に劣るとされて、馬鹿にされていました。
それを、奥州藤原氏は、この世に極楽浄土を創ろうと、文化地域にしました。
③ 平泉を近代都市にした。
当時の京の都の人口は、17万人都市です。
それに比べて、平泉は、12万都市でした。
その当時、日本第二の都市です。
④ 大経済地域にした。
それまでの東北は、飢饉が多く、貧しい地域でしたが、それを金山の開発と交易で、一大経済地域にしました。
有能なリーダーの力で、ここまで、地方を変えることが出来るという証明です。
現在、日本の地方は、中央ばかりを観ていて、文句ばかり、言っていますが、
地方を視点にした思考も歴史教育では、必要です。
やはり、有能なリーダーで、世の中は、変わりますね。
その後、戦国時代になっても、結局、東北全体を一つにまとめるだけのリーダーは、出現しませんでしたが。。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 義家には義家の思惑があったとは思いますが、結果的に自腹を切ったことが、大きな効果をもたらしましたね。
青田さんへ
黒田裕樹 こうした事実を鑑みれば、確かに素晴らしいことですね。
盛り上がらない背景には、歴史教育の偏向もあると思います。
日本の優れたところは紹介しないとか…。
藤原清衡の裏技
青田です。 青田です。
この源義家の朝廷からの、不当な扱いは
藤原清衡が、金を使った調停工作があると
言われています。
藤原清衡が、源氏が東北に介入してきて、バラバラになった苦い経験があったので、中央の不介入を防ぐために行ったという説があります。
最初から、藤原清衡は、東北に理想郷を創ろうというビジョンがあったようです。
今の時代にいて欲しかったです。
青田さんへ その2
黒田裕樹 そう考えれば、藤原清衡の政治力は大したものですね。
奥州藤原氏は、武士政権の先駆け
青田です。 青田です。
私は、奥州藤原氏は、東北地方だけですが、
日本初の武家政権だと思います。
① 奥州藤原氏は、中央から来る国司を拒まず受け入れ、奥州第一の有力者としてそれに協力するという姿勢を最後まで崩しませんでした。
②清衡は陸奥押領使に、基衡は奥六郡押領使、出羽押領使に、秀衡は鎮守府将軍という軍事権・警察権も与えられました。
③奥州の摂関家荘園の管理も奥州藤原氏に任されていました。
中央政府が権力争いをしているがゆえに、奥州まで介入する余裕が無かったことが幸いだった気がします。
中央から離れた独立政権というのは、画期的でした。
おそらく、今でいうEUのような感じだった気がします。
個人的には、今でも、東京一極集中で、東京から、上から目線で、地方を観るののに腹が立つ私とすれば、当時の京の都を凌いだ平泉を築いた奥州藤原氏は、好きです。
青田さんへ その3
黒田裕樹 仰る思いは良く分かるつもりです。