このため、盗賊を中心に力あるものが支配する世の中となり、数多くの生命や財産が奪われたことから、人々は自らを守るために自然と武装するようになりました。
これこそが、武士が誕生するきっかけだったのですが、武士団の形成に関しては、実はもう一つの理由がありました。前々回(第55回)の講演で詳しく紹介しました、いわゆる「おいしい」職務である国司がその原因です。彼らは任期制ですから、一定の年数が過ぎると都へ戻らなければなりませんが、ここで大きな問題が起きました。
国司たちは、通常よりも多くの税をかき集めて自分の利益としたほか、自己の任期中に土地をできるだけ開墾(かいこん)することで巨万の富を得ましたが、任期中に開墾した土地を都へ持って帰ることは、いくらなんでも不可能でした。せっかく開墾した土地を他人に奪われるのは納得がいかないということで、任期が切れた後も地方にそのまま残って土着し、同じように武士となっていく者も現れたのです。
武士たちは、各地の豪族が次第にまとまって地方武士団を形成していきましたが、やがては国司から土着した貴族の出身者たちがその中心となっていきました。その中でも特に有名だったのが、桓武平氏(かんむへいし)や清和源氏(せいわげんじ)の出身者たちでした。
※下記の映像は12月20日までの掲載分をまとめたものです。
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いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
「国司」のお話は覚えておりました!
それにしても
つくづくお金の力と言うのは凄いですねぇ・・
その人の人生そのものをガラリと変えてしまう
力が有るんですものね。
勿論、良きにつけ悪しきにつけですが(^_^;)
ぴーちさんへ
黒田裕樹 覚えててくださり、有難うございますm(_ _)m
仰るとおり、良しにつけ悪しきにつけ、カネの力は凄いですね。