第1条 大日本帝国ハ万世一系(ばんせいいっけい)ノ天皇之(これ)ヲ統治ス
「天皇が統治する」という字面だけを見ると天皇絶対主義と理解できそうですが、実は「統治」の意味が現代とは異なっています。
「統治ス」は、憲法の原案では「治(シラ)ス」と書かれていました。「治ス」とは「お知りになる=公平に治める」という意味の大和言葉であり、それを漢語化したのが「統治ス」です。公平に世の中を治めるということは「権力を私有せず、公共のために世の中を治める」という意味であり、従来の天皇のお立場を成文化したものであると解釈できます。
つまり、明治憲法は初めの第1条から「天皇主権」を明確に否定しているのです。
※下記の映像は3月12日までの掲載分をまとめたものです。





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ぴーち こんばんは!
教科書検定会議において
時の文部省が会議で決定する事柄に対して
どうしてこうも間違った解釈がされてしまうのでしょうね?
やはり外国の考え方や意見がそこに含まれて
しまうのでしょうか?
ぴーちさんへ
黒田裕樹 考えられる原因としては、日本国憲法を持ち上げるあまり、もうひとつの憲法である明治憲法を不当におとしめているということです。
先人の苦労を思えば嘆かわしいことですが…。
統治の意味
青田です。 黒田先生
青田です。
余談ですが、
この『統治』の本来の文字の語源から
考えると、非常に面白いです。
元々、漢字は、殷の時代に『神との交信』のための
文字でした。
『統』・・・糸がたくさん集まるところ
→ 人の衆目の存在。
『治』・・サンズイは、刺青を入れた人を意味します。
口は、神への入り口を意味します。
これらのことから、
『統治』とは
人に尊敬される人が神との約束をすることを意味します。
ちなみに、現在、中国で、使われている漢字は、周王朝以降から、変化して、文字本来の意味を失くしています。
青田さんへ
黒田裕樹 なるほど、興味深いご高察ですね。
我が国の方が漢字本来の意味に忠実なのかもしれません。
余談ですが
青田です。 黒田先生
青田です。
余談ですが、
日本の現在、使っている漢字(文字)が
漢字本来の意味を崩さずに使っています。
『マルコポーロの時代の漢字の意味と現代の漢字の
意味』は、ほとんど同じです。
古代中国は、王朝ごとに漢字の意味を都合よく、変えてきましたし、地方によって、意味も文法も全く、違います。
漢字の元になる甲骨文字が発見されたのは、
清朝末期で、つい100年前です。
その時、清人は、『何の役にも立たない。』と
全く、研究しませんでしたが、
日本の白川静先生は、20代の時から、その甲骨文字を一字ずつ、全て、写し取り、研究しました。(96歳まで)『漢字』について蔵書や直筆原稿など約1万8千点を残しました。
白川静先生は、現代の中国で、使っている漢字の意味を全否定しています。
現代の中国で、使っている漢字の意味は、安易すぎる。
元々、神との交信のために使った文字だと。
その前提で、この明治憲法の条文を読むと
かなり、意味深いですね。
青田さんへ その2
黒田裕樹 なるほど、だとすれば日本人の叡智の深さは素晴らしいものがありますね。