その後、平成13(2001)年2月に、ハワイ沖で日本の高校生の練習船「えひめ丸」が、アメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突して沈没し、日本人9名が死亡するという「えひめ丸事故」が起きました。
事故が発生した際、森首相は休暇(きゅうか)でゴルフをプレイ中であり、現地で連絡を受けて一旦(いったん)待機した後、数ホールだけ回って引き上げましたが、マスコミや野党から「事故が起きた際にのんびりとゴルフを楽しむとは何事だ」と叩かれまくりました。
冷静に考えれば、えひめ丸事故そのものは「首相個人の危機管理」ではなく、内閣官房長官に対応を任せればそれで済む話だったのですが、マスコミが森首相のゴルフをプレイする姿を繰(く)り返して放送したため(それも当日とは無関係の夏の日に撮影されたものでした)、首相の悪印象が増幅(ぞうふく)されてしまいました。
かくして、マスコミの行き過ぎともいえる報道の影響を受けて、支持率がさらに低下した森首相は、同年4月26日に内閣を総辞職せざるを得なくなったのです。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





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ぴーち こんばんは!
う~ん。。そうですね。
やはり一度悪いレッテルを貼られてしまうと
何から何まで裏目、裏目に物事が進んでしまうものなのかも知れませんね。
火のない所でも煙が立ってしまうような世界なのでしょうね。政界も。
それにしても、マスコミの刷り込みというのは
怖いものですね。これまでは余り気にもとめなかった事ですが・・。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > う~ん。。そうですね。
> やはり一度悪いレッテルを貼られてしまうと
> 何から何まで裏目、裏目に物事が進んでしまうものなのかも知れませんね。
> 火のない所でも煙が立ってしまうような世界なのでしょうね。政界も。
森首相の場合、最初に植えつけられた「悪印象」が、最後までついて回ったとしか言いようがないですね。
> それにしても、マスコミの刷り込みというのは
> 怖いものですね。これまでは余り気にもとめなかった事ですが・・。
実際に恐ろしいものがあります。第一次安倍政権が倒されたり、民主党政権が誕生したのもマスコミによる「刷り込み」の影響が大でした。そして、かつては我が国が大東亜戦争に進まざるを得なかったのも…。
幸いにして今は「ネット」と言う自由な環境がありますから、大事にしていきたいですね。
えひめ丸事件のアメリカ海軍の対応
青田です。 黒田先生
青田です。
この『えひめ丸事件』について、日本の中で、かなり、批判が起こり、それ自体は、当然だと思います。
しかし、それに乗じて、『アメリカ軍=悪』的な世論も起きました。
しかし、
この時、アメリカ海軍の対応には、驚きました。
当初、アメリカ海軍内では、悪いの『えひめ丸である、アメリカ海軍は、悪くない。』という意見がありましたが、
それを怒鳴りつけた人物がいました。
リチャード・アーミテージ国務副次官です。
その後、アーミテージ国務副次官は
『悪いのは、アメリカ海軍であり、日本側からのどんな要求にも100%従う。』でした。
日本側の要求は、
『遺体の引き揚げは、絶対に機械で行わず、
人間の手を使って、行って欲しい。』でした。
日本の火葬による葬儀の風習、また日本人の感情などに配慮した米国側は
そのために費用を6,000万ドルを投入した。
アメリカ内から、そのことに批判が起こりましたが、アメリカ政府は、それでも日米安保条約の重要性を考えて、日本にかなり、気を遣ってました。
青田さんへ
黒田裕樹 仰られた後日譚については、恥ずかしながら存じ上げませんでした。
こういう観点から事件を見つめなおすのも大切ですね。有難うございます。