「天皇ヲ以テ現御神(あきつみかみ)トシ、且(かつ)日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延(ひい)テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空(かくう)ナル観念ニ基(もとづ)クモノニモ非(あら)ズ」。
この文章だけ読めば、昭和天皇が自らの神格化を否定されたと見なすことも不可能ではないですが、これは詔書のほんの一部分に過ぎませんし、陛下が本当に仰りたい内容は、実はこの文章の直前にあるのです。
「然(しか)レドモ朕(ちん)ハ爾等(なんじら)国民ト共ニ在リ、常ニ利害ヲ同ジウシ休戚(きゅうせき、喜びや悲しみのこと)ヲ分(わか)タント欲ス。朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯(ちゅうたい)ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依(よ)リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ」。
陛下は常に国民とともに存在し、国民と利害を同じくして、喜びも悲しみも一緒に分かち合いたいと仰ったうえで、天皇と国民との間の紐帯、すなわち強い絆(きずな)は単なる神話や伝説によってではなく、相互の信頼と敬愛とによって結ばれているとされておられるのです。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)





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ぴーち こんばんは!
自分欲が強い人間は、自分は神の化身だと
人々を洗脳してまでも、成り上がろうとしますが、
所詮、人間は多くの煩悩を抱えて悩む生き物で、とても神や仏の領域には到達出来ない存在ですよね。
天皇はそういう人間としての身の程をしっかりと弁えた
生き方を学んでいらっしゃったのでしょうね。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 民のためにひたすら神に祈られる天皇陛下であらせられますからね。
無私のお心が、ここまでの紐帯を築き上げてこられたのでしょう。