さて、鈴木内閣が成立した直後の同月12日に、アメリカのフランクリン=ルーズベルト大統領が急死しました。当時の我が国にとって、ルーズベルト大統領は戦争相手の元首としてのみならず、前月10日の東京大空襲(とうきょうだいくうしゅう)では甚大(じんだい)な被害を受けるなど、憎んでも余りある存在でした。
しかし、大統領の訃報(ふほう)を耳にした鈴木首相は、当時存在した同盟通信社の記者の質問に答えるかたちで「大統領の死がアメリカ国民に対して意味する大きな損失は私にはよく同感できる。深い哀悼(あいとう)の意をアメリカ国民に向けて送るものである」との談話を発表しました。
我が国の同盟国であったドイツのヒトラーが、ルーズベルトの死に際して誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)の言葉を並べ立てたのとは対照的な、敗色濃厚の窮地(きゅうち)に立ちながらも品位と礼節を失わなかった、武士道精神の発露(はつろ、表面にあらわれること)たる鈴木首相の言葉は、世界中から称賛(しょうさん)されたのです。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
同じ日本人として、誇りに思う貫太郎氏の
文言ですね!
武士道精神に基づく生き方とも言えましょうか・・
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 同じ日本人として、誇りに思う貫太郎氏の
> 文言ですね!
> 武士道精神に基づく生き方とも言えましょうか・・
私もそう思います。
このような高潔な人物なればこそ、我が国を終戦へと導くことができたのでしょう。
品位と礼節
鹿児島のタク 鈴木貫太郎首相が示したような「品位」と「礼節」…日本の武士道精神に近いのだと思うのですが、現在の日本人も、このような精神の“電流”を持っていることを願っています。この“電流”をもっと強くした方がよいのではないでしょうか。微弱になっているように思います。
鹿児島のタクさんへ
黒田裕樹 仰るとおりですね。
「古き良き日本」の伝統も取り戻さねばなりません。