事件前夜、貫太郎は夫人の「たか」と共に、駐日アメリカ大使ジョセフ=グルーの招きで夕食会に出席した後、夜11時過ぎに帰宅し就寝していましたが、未明に安藤輝三(あんどうてるぞう)大尉(たいい)が指揮(しき)する一隊が襲撃(しゅうげき)しました。
貫太郎を発見した下士官が兵士たちに発砲を命じ、貫太郎の左脚付根、左胸、左頭部に命中しました。激しい衝撃(しょうげき)を受けて倒れた貫太郎の周囲はたちまち血の海と化しました。
やがて指揮官の安藤がその場に姿を現し、下士官の一人が「中隊長殿、とどめを」と促すと、安藤は軍刀を抜き、貫太郎にとどめを刺そうとしました。その時―。
「お待ちください。とどめは止めてください。どうしても必要というなら私が致します」。
たか夫人が気丈に叫ぶと、安藤は軍刀を納めて、「鈴木貫太郎閣下に敬礼する。全員気をつけ、捧(ささ)げ銃(つつ)!」と号令して兵士を引き連れ、去っていきました。





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ぴーち こんばんは!
なんと、まあ!
奥様の気丈な一言に、貫太郎氏は救われたのですか!
内助の功も、夫の危機が訪れた時には
盾となってなんとしても守ろうとする思い・・。
妻の鏡です!立派ですね!
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、たか夫人の機転が鈴木貫太郎を救いましたね。
しかし、頭部を撃たれた貫太郎の運命はどうなるのでしょうか…。