当時は徳川幕府による封建社会(ほうけんしゃかい)であり、江戸時代の史実に基づく物語は上演を禁じられていたためにわざわざ太平記の世界を借りたのですが、仮名手本忠臣蔵には誰にでも「元禄赤穂事件の引き写し」と分かる様々な要素が散(ち)りばめられています。
例えば「仮名手本」は「いろは四十七文字」のことであり、討ち入った旧赤穂藩の四十七士と掛(か)けていますし、「忠臣蔵」は「忠臣大石内蔵助」からか、あるいは「蔵(くら)に一杯(いっぱい)になるほど多くの忠臣」という意味が込められています。
また高師直や塩谷判官高貞はそれぞれ実在の人物ですが、高師直は吉良の役職である「高家」を、塩谷判官は赤穂の名産である「塩」をそれぞれ掛けており、さらには判官の家老である大星由良之助の妻は「お石(いし)」であり、二人合わせて「大石」となります。
ただし、仮名手本忠臣蔵にはこれら以外にも「別のメッセージ」があります。それは物語のもっと奥深(おくふか)くに隠されており、またそのカギを握るのは仮名手本忠臣蔵がどこで初演されたのかということと、高師直の「官職名(かんしょくめい)」です。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
太平の世であったが故に
様々な文化が花開き、また、花開いただけにはとどまらずに、より深く物事を推測したり、
或いは小細工を施したり、そう言った細かな所にまで
発展させていくことが出来る世の中であった事が、悪く言わせていただくと、暇人が、余計な尾ひれや、
個人の思惑が介入する事で、より真実から遠のいてしまったのではないでしょうかね(^^ゞ
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 なるほど、そういう見方もありますね。
確かに仮名手本忠臣蔵には作者が住んでいた地域の強烈な思い入れが隠されています。
詳しくは次回(1日)の更新をご覧ください。