国司たちは自己の任期中に土地を開墾(かいこん)できるだけ開墾して巨利(きょり)を得ましたが、任期中に開墾した土地を都へ持って帰ることはさすがに不可能でした。せっかく開墾した土地を他人に奪(うば)われるのは納得(なっとく)がいかないということで、任期が切れた後も地方にそのまま残って土着(どちゃく)し、同じように武士となっていく者も現れたのです。
受領から土着した貴族から武士となった者たちは、やがて各地の豪族が次第にまとまった地方武士団の中心となっていきましたが、その中でも特に有名だったのが桓武平氏(かんむへいし)や清和源氏(せいわげんじ)の出身者たちでした。
10世紀から11世紀にかけて平家や源氏は様々な興亡(こうぼう)を繰(く)り返しましたが、12世紀に入ると桓武平氏の流れをくむ伊勢平氏(いせへいし)が次第に頭角(とうかく)を現すようになり、清盛の祖父(そふ)にあたる平正盛(たいらのまさもり)によって平家は大きく飛躍(ひやく)するきっかけをつかむのです。





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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晴雨堂ミカエル 兵庫県の井戸氏がなんか言うていますが、私は今年の大河ドラマは好感を持っています。
ただ、清盛たちの身なりはもう少し良かったのではないかと思います。
あのクラスは武士というより軍人貴族、五位の位階ですからくたびれた侍烏帽子ではなく、立烏帽子や狩衣くらい着せても良いような気がします。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 私は見ていないのですが、清盛の待遇を不当に貶(おとし)めているようですね。
清盛は若い頃から他の武士に比べてずっと身分が高いのですが…。まあこれ以上書くとネタバレになりますので(笑)。
ぴーち おはようございます!
何となく私は武士と言うと
江戸時代の武士のイメージしかなく
自尊心の塊というか、常に
清廉潔白な生き方を
している様に
思えていたのですが、武士の起こりは
人間の執着心と強欲さが齎しさ産物だったのですね(^^ゞ
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 そのとおりです。
生への執着心だけでなく、強欲の産物でもあった武士。
綺麗事だけでは繁栄できないということなのでしょうね。