現代でもそうですが、国民の中には収入が多い人々も少なくありません。彼らがぜいたく品などを買い求めたりすることによって経済が活性化し、結果として文化が広がっていくのです。徳川綱吉の時代に減税によって人々の暮らしに余裕が生まれ、多くの人々が遊びを求めた結果、そのニーズに応えて元禄文化(げんろくぶんか)が生まれ、栄えたのが何よりの証拠です。
しかし、吉宗は倹約令を国民に「押し付けた」かたちになりました。倹約ばかりでは消費が冷え込んで景気が悪化するばかりでなく、人々の心にも余裕が生まれず、結果として文化も栄えません。綱吉の時代の元禄文化に対して、吉宗の時代には「享保文化」と呼ばれるものはついに誕生しませんでした。
吉宗の倹約令は庶民の消費意欲を奪(うば)い、広まるべき文化の芽を摘(つ)み取ってしまったのですが、農民の生活はそれ以上に苦しめられていました。なぜそんなことになってしまったのでしょうか。実は、ここにも「儒教と商行為」の問題が見え隠れしているのです。




いつも有難うございます。
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ろっぽん 世界でも日本国民の貯蓄額はトップレベルです。
輸出が好調な時は蟻とキリギリスの童話のごとく
貯蓄は有効ですが
今まではアメリカ国民の投資で儲けた金で輸入し
積極的に消費して日本が外貨を稼いでいた時とは違い、もっと金をつかわないと経済の血液が回らなくなり梗塞を起こしている状態である
よく資本主義、社会主義というが
日本は貯蓄主義であると思う
資本主義擁護派の人も株投資などもしなし
社会主義なんか嫌いという若者が派遣労働、年金老後の不安、医療の不安がある
つまり学校教育でその辺の本質を教えてないのだ
ろっぽんさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、全体の金回りがうまくいっていないことが景気の回復を遅らせていますね。
デフレスパイラルから一刻も早く回復するためにも、国の体力があるうちに内需拡大などの積極的な対策が望まれます。
ぴーち こんにちは!
綱吉の時代で花開いた元禄文化があった事が
逆に吉宗の提案をこういう結果にしてしまったのでは。。と思いました。
現代でもバブルを一時的でも経験した事で、その後の今のような経済悪化の現実をなかなか受け入れられなくて、いつまでもバブルの頃の生活水準をもう一度取り戻そうとする気持ちが働いている為に、その現実と理想の間で悩んでいる人は大勢いて、その最たる結果、自殺者が増えているようにも感じます。
人間一度甘い汁を味わってしまうと、なかなか
その後の倹約生活を耐える事は難しいというのは、世の常なのだと思います。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 なるほど、確かに仰る一面もありますね。
贅沢に慣れると節約することは確かに厳しいと思いますが、逆にブレすぎても大変なような気がします。
なおまゆ 現在の日本を見ているようですね。
倹約を強制されてはいませんが、そういう空気はかもし出されていますよね。
減税が国民生活を豊かにするのは自明の理なんですが、今の政府は、逆に進んでいます。
吉宗は名君として名高いのですが、疑問です。
経済政策というのは、タイミングを間違えれば一層状況を悪化させます。
今は、国債を発行してインフレを起こすのが良いと思うのですが・・・逆行していますよね。
なおまゆさんへ
黒田裕樹 私も同意見です。
世間の空気がマイナスのベクトルになったまま動こうとしませんから、これはかなり危険だと思います。
こんな時こそ政治がしっかりと国民を正しい方向に導くべきなのですが…。