収入というものは増やすだけではなく、一年にどれだけ得ることができるかという目安も重要でした。そのためには、耕地を広げるだけではなく、納めさせる税率も一定のものにしなければならないと吉宗は考えました。
そこで吉宗は、豊作(ほうさく)や凶作(きょうさく)にかかわらず、過去数年間の収穫高(しゅうかくだか)の平均から年貢率(ねんぐりつ)を一定にするという定免法(じょうめんほう)を定めました。一方、一年の収穫高で年貢率が上下する旧来の制度のことは検見法(けみほう)と呼ばれています。
収入増に一定の道筋をつくった吉宗が次に考えたのは、優秀な人材を積極的に登用することでした。しかし、いくら優秀であっても、旧来の地位や身分を重視していては上手くいきません。そこで、たとえ身分が低くても、在職中の間だけ石高(こくだか、米で支給される武士の給料のこと)を増やすという足高の制(たしだかのせい)を1723年に定めました。この制度によって江戸南町奉行として採用されたのが、有名な大岡忠相(おおおかただすけ)です。




いつも有難うございます。
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ろっぽん 現在、「飯食わねぇ嫁ご」という民話を描いていますが欲深婆さんがご飯食わない嫁ならば働かせれば働くほど儲けることができるのではないかという民話でこの民話の背景に開田するほど豊かになるというシステムがあるからなのかと考えるのですが
現実には働けど働けど我が暮らし楽にならないのような気がするのですが実際、生産高を増やせば農民たちも大名も豊かになるということがあったのですか、URLはその民話です。
ぴーち こんばんは!
>いくら優秀であっても、旧来の地位や身分を重視していては上手くいきません
そうですよね。
地位や身分が低くても、それなりの見識や知識が豊富な人物は沢山いますから、吉宗の考え方を現代の政治家にも是非当てはめていただきたくも思いました。が・・?
応援デk所
ろっぽんさんへ
黒田裕樹 > 現在、「飯食わねぇ嫁ご」という民話を描いていますが欲深婆さんがご飯食わない嫁ならば働かせれば働くほど儲けることができるのではないかという民話でこの民話の背景に開田するほど豊かになるというシステムがあるからなのかと考えるのですが
「飯を食わない女房」の昔話は私も聞いたことがあります。オチが結構怖かった記憶がありますが…。
> 現実には働けど働けど我が暮らし楽にならないのような気がするのですが実際、生産高を増やせば農民たちも大名も豊かになるということがあったのですか、URLはその民話です。
「生産高が増えれば農民も大名も豊かになる」。確かにそう思えそうですし、吉宗も固く信じていたようです。ではその結果はどうなのか…についてはいずれ紹介します。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > >いくら優秀であっても、旧来の地位や身分を重視していては上手くいきません
> そうですよね。
> 地位や身分が低くても、それなりの見識や知識が豊富な人物は沢山いますから、吉宗の考え方を現代の政治家にも是非当てはめていただきたくも思いました。が・・?
私も同意見です。政治家に限らず、大胆な政策を実行したり考えたりする人物は在野にいくらでもいるはずです。国難の時こそ頑張り時だと思うのですが…。
HANA子 記事を拝見して思ったのは、この享保の改革における新田開発って言ってみればというか、まんま民間資本の公的事業投入──PFI事業なんですね。
問題点も多いですが、官よりも民間の力が強い社会なら効率的にまわるシステムと言えますし、その辺を吉宗とそのブレーンは理解していたということなんでしょうか。
今度の震災において、震災復興をこのPFIで行うという案が出ているそうですが、さてどうなりますことか。
HANA子さんへ
黒田裕樹 なるほど、確かにそんな一面がありますね。
吉宗がそこまで理解できていたかどうか私は分かりませんが(おそらくは資金不足の苦肉の策のような気がします)、現実の世界ではどうなるでしょうか?