茶の湯では奈良の村田珠光(むらたじゅこう)が質素な茶室で心の平静を求めるという、茶と禅による精神の統一を主張した侘茶(わびちゃ)を始めました。この後、侘茶は堺の武野紹鴎(たけのじょうおう)が発展させ、千利休(せんのりきゅう)によって完成されることになります。
また、生花も座敷の床の間を飾る立花(たてはな)形式が定着したことで、飾られた花そのものを鑑賞するかたちがつくられていきました。立花の名手としては小野妹子(おののいもこ)の末裔(まつえい)とされる池坊専慶(いけのぼうせんけい)が知られており、現代の華道の家元(いえもと)である池坊につながっています。
一方、この頃の公家の間では、政治や経済面での実権を失ったことで伝統的な文化の担(にな)い手として有職故実(ゆうそくこじつ)の学問や古典の研究に力を入れるようになり、一条兼良(いちじょうかねよし、または「かねら」)らが樵談治要(しょうだんちよう)など多くの研究書や注釈書(ちゅうしゃくしょ)を残しました。
また、京都の吉田神社(よしだじんじゃ)の吉田兼倶(よしだかねとも)は、仏が神の化身(けしん)としてこの世に現れたとする神本仏迹説(しんぽんぶつじゃくせつ、別名を反本地垂迹説=はんほんじすいじゃくせつ)を主張して、神道(しんとう)を中心に儒学(じゅがく)や仏教を統合しようとする唯一神道(ゆいいつしんとう、別名を吉田神道=よしだしんとう)を始めました。




いつも有難うございます。
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サクラ 伯母がお茶好きで、実家にいた頃はよくお茶会をしていました。
文化の寿命って長いですね。
それにしても、儒教も神道もチャンポンですか!
日本が何でもありがたがる国だとは知っていましたが、全てを一つにしようとは――。
まあこれは極端な例として、明治期にある程度の整備がなかったら、スゴイことになっていたかもしれませんね。
カクレキリシタンの聖書なんか読むと、不思議な土着信仰になっていますし。
サクラさんへ
黒田裕樹 > 伯母がお茶好きで、実家にいた頃はよくお茶会をしていました。
> 文化の寿命って長いですね。
私もそう思います。
良きものは長続きするということなのでしょうか。
> それにしても、儒教も神道もチャンポンですか!
> 日本が何でもありがたがる国だとは知っていましたが、全てを一つにしようとは――。
> まあこれは極端な例として、明治期にある程度の整備がなかったら、スゴイことになっていたかもしれませんね。
> カクレキリシタンの聖書なんか読むと、不思議な土着信仰になっていますし。
我が国はもともと多神教ですから、すべてを飲み込んで独自のものをつくりあげることに長(た)けている傾向があります。
全く別物の「仏」と「神」を主従を問わず一緒にするのも当然のように受け入れられていますからね。
仰るような隠れキリシタンも、年月が経つにつれて変化していますから、儒学を混成するのも問題なかったのかもしれません。
ぴーち こんにちは!
「侘茶」ですか・・
黒田さんがここでこういうお話をされると、
どこぞのお茶メーカーさんが、今度復刻版「侘茶」
という名のお茶を売ろう!なんて話が登場してしまったりして^^
丁度、現代も精神や心の静寂を求める時代ですからね^^;
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 「侘茶」ですか・・
> 黒田さんがここでこういうお話をされると、
> どこぞのお茶メーカーさんが、今度復刻版「侘茶」
> という名のお茶を売ろう!なんて話が登場してしまったりして^^
> 丁度、現代も精神や心の静寂を求める時代ですからね^^;
なるほど、確かに売り時かも(笑)。
どこでヒット商品が出るか分からない世の中ですからね(^^ゞ
それはともかく(爆)、当時の「わびさび」の精神を日本人として大事にしたいものです。
風早 りら 茶道
花道
日本が世界に誇れる文化です
床の間を飾る立花が確立したのも
この頃なのですね
仏が神の化身としてこの世に現れたとする神本仏迹説
かなり乱暴な考えのような気がします
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 茶道
> 花道
> 日本が世界に誇れる文化です
> 床の間を飾る立花が確立したのも
> この頃なのですね
そのとおりです。
現代につながる我が国の文化がどんどん形成されていきますね。
> 仏が神の化身としてこの世に現れたとする神本仏迹説
> かなり乱暴な考えのような気がします
そのお考え、ごもっともと思われます。
我が国では、いわば異国からの伝来である仏教をどのように受け入れるかについて葛藤がありました。
そのうえで、長い年月をかけて仏と神とを一体とすることで我が国の風土になじむようにしたのです。
ただ、仏が主か、神が主かとの違いはあるようですね。
オバrev 室町文化って、現代にそのま引き継がれていますね。
もしタイムマシンで室町時代にいっても、あまり違和感ないかも?
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 室町文化って、現代にそのま引き継がれていますね。
> もしタイムマシンで室町時代にいっても、あまり違和感ないかも?
なるほど、そういうお考えもありますね。
文化面はもちろん、現代の政治のグダグダぶりが仙谷、いや戦国時代前夜のような雰囲気をかもし出しているあたりが、さらに違和感をなくしているかもしれません(´Д`)
みーこ えっと、記事に関係ないことで
申し訳ないんですが><
コメントありがとうございました^^
私、ほんと社会はだめで;;
このブログ見て
めっちゃ頑張っちゃいます^^!
みーこさんへ
黒田裕樹 > えっと、記事に関係ないことで
> 申し訳ないんですが><
> コメントありがとうございました^^
> 私、ほんと社会はだめで;;
> このブログ見て
> めっちゃ頑張っちゃいます^^!
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