しかも、蒸気機関(じょうききかん)で動く黒船(くろふね)が発明され、海で囲まれたことが我が国にとって有利どころか、絶対的に不利になってしまった現実に対しても幕府は無視を続けました。そんな幕府の頑(かたく)なな姿勢は、やがて突然に、なおかつ最悪の状態で崩壊を迎えることになってしまいます。
1853年、アメリカのペリー率いる黒船の来航に幕府は大慌(おおあわ)てとなって無理やり開国させられ、1858年には日米修好通商条約(にちべいしゅうこうつうしょうじょうやく)という不平等条約を結ばされるという失態を演じてしまいました。
また、開国の際に幕府は自分たちだけで国論(こくろん)をまとめることができず、諸藩(しょはん)に意見を伺(うかが)っているのですが、これは武力で我が国を支配したはずの江戸幕府にしてみれば、武家政権にあるまじき弱腰(よわごし)の方針でした。こうした幕府の姿勢に加えて、朱子学によって天皇こそが我が国の中心であるとする思想が広まったことが、幕末の激しい尊王攘夷運動(そんのうじょういうんどう)へとつながる一因となりました。
もし幕府が重商主義を標榜(ひょうぼう、主義や主張などをはっきりと示すこと)して早期に自主的に開国していれば、幕末の混乱もなかったでしょうし、また明治新政府が誕生したとしても、幕府は重要な位置を占(し)めることが可能だったでしょう。幕府のある意味頑なで、また一気にブレまくった政治姿勢は多くの国民の支持を失い、明治維新へとつながってしまったといえるのです。




いつも有難うございます。
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そうめん 鎖国ですか~
鎖国といえば出島が有名ですよね。
ペリーは・・
開国を迫った人ですよね(^^;)
クリック!
そうめんさんへ
黒田裕樹 > 鎖国ですか~
> 鎖国といえば出島が有名ですよね。
そうですね。
唯一の貿易都市だった出島の存在が、鎖国が実は「鎖国」ではなかったことを皮肉にも証明しています。
> ペリーは・・
> 開国を迫った人ですよね(^^;)
そのとおりです。
良くも悪くも我が国の今後を決定づけた来航でもありました。
応援ありがとうございます!
.
ぴーち こんばんは!
ペリーの本来の目的は捕鯨だったと言う説を伺った事があるんですが、どうなんでしょうか?
「太平の眠りを覚ます(上喜撰)蒸気船 たった四杯で夜も眠れず」
何故かこういう川柳だけは覚えていて、歴史は覚えず・・(^^A
失礼いたしましたm(__)m
では、応援凸
.
紗那 なるほどー……
こういういつの間にか、意地の張り合い?のようになってしまうことは、よくありますね。。。
自分個人の問題であれば、まだ構わないとはいえ、このように国全体に絡んでくることだと大きな問題だと思います。
ブレ、ですか……w
なにやら現代にも通じてきそうな話ですね><
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > ペリーの本来の目的は捕鯨だったと言う説を伺った事があるんですが、どうなんでしょうか?
そうですね。ペリーの場合は捕鯨の際の寄港地として我が国の開国が必要だったため、通商までは求めていませんでした。我が国に通商条約を迫ったのはハリスです。
> 「太平の眠りを覚ます(上喜撰)蒸気船 たった四杯で夜も眠れず」
> 何故かこういう川柳だけは覚えていて、歴史は覚えず・・(^^A
> 失礼いたしましたm(__)m
いえいえ、そのような歴史的な用語や歌からでも、十分歴史に興味を持つことができますから大丈夫ですよ(^^♪
紗那さんへ
黒田裕樹 > なるほどー……
> こういういつの間にか、意地の張り合い?のようになってしまうことは、よくありますね。。。
> 自分個人の問題であれば、まだ構わないとはいえ、このように国全体に絡んでくることだと大きな問題だと思います。
特に我が国の政治家には「先例と違うことをすることを極端に嫌う」傾向がありますからね。仰るとおり、巻き添えを食らう国民はたまったものではありません。
> ブレ、ですか……w
> なにやら現代にも通じてきそうな話ですね><
鋭いですね(^^ゞ
明日の総集編で改めて考察してみます。
.黒田先生
風早 りら 鎖国は 日本に
とって かえすがえすも残念
だから 信長の死が悔しい
私の友達は皆 信長ファンです
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 鎖国は 日本に
> とって かえすがえすも残念
> だから 信長の死が悔しい
> 私の友達は皆 信長ファンです
確かにグローバルな考えを持っていた信長が存命していれば、鎖国をするようなことはなかったでしょうね。
本当は制限貿易なのですから、もっと賢いやり方があったはずなのですが…。