「徳のある者が天下を制す」とありますが、徳のある者が本当に幕府なのかどうかという疑問が次第に投げかけられたのです。時が経(た)つにつれて、徳があるのは幕府ではなく、我が国に長い間君臨されておられる天皇であるという考えが一般的になり、幕府公認の学問によって幕府の存在を否定するという大きな矛盾をもたらしてしまいました。
また、儒教(じゅきょう)に由来する朱子学が公式の学問になったことで、幕府の政治は商業を軽視あるいは無視して農業を中心とする重農主義(じゅうのうしゅぎ)が中心となりましたが、これは17世紀後半の元禄時代(げんろくじだい)の頃から経済が発達して商業中心の社会となった世の中の流れと完全に逆行していました。
特に享保(きょうほう)・寛政(かんせい)・天保(てんぽう)のいわゆる江戸の三大改革における農業重視・商業軽視の姿勢は明白(めいはく)であり、田沼意次(たぬまおきつぐ)らによる開国も視野にいれた重商主義(じゅうしょうしゅぎ)は、その存在すら徹底的に否定されました。
こうした幕府の政治手法が、やがて「大きなツケ」として江戸幕府のみならず、我が国全体に大きくのしかかることになります。




いつも有難うございます。
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オバrev 時代の流れを読む、認識するということは政治家の特にトップに立つ人に最も要求される資質かもしれません。
それを無視した政治をやろうとしても必ず挫折すると歴史が証明していますね。
現在のグローバル化経済では、英語が標準語らしいですし・・・日本キビシ~イ(^^ゞ
金融恐慌、新興国台頭、環境破壊等、激変する世界の中で、外国と対等にやりあい、日本の技術を生かし、そのための教育をすすめ、少子高齢化に対応して住みよい日本にしていく等を、的確に判断して実行できるトップでないと、すぐに世界に置いて行かれるかもしれませんね(゜◇゜)ガーン
.
紗那 なるほど。。。
いつまでも形式的なものにとらわれていては、実情に合わなくなってしまうんですね。
言われてみると、現代でも当てはまることがあるような気がします^^;
しかし、こんな自業自得が待っているとは幕府も考えていなかったんでしょう。
.黒田先生
風早 りら 江戸幕府が利用しようとした
朱子学
それによって
困難をきした江戸幕府
やはり 汚い手段は
やがて 滅びますよね
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 時代の流れを読む、認識するということは政治家の特にトップに立つ人に最も要求される資質かもしれません。
> それを無視した政治をやろうとしても必ず挫折すると歴史が証明していますね。
仰るとおりですね。
時代の流れに取り残された政治やその組織は、やがて時代に飲まれて消え去っていく運命にあるといえます。
> 現在のグローバル化経済では、英語が標準語らしいですし・・・日本キビシ~イ(^^ゞ
> 金融恐慌、新興国台頭、環境破壊等、激変する世界の中で、外国と対等にやりあい、日本の技術を生かし、そのための教育をすすめ、少子高齢化に対応して住みよい日本にしていく等を、的確に判断して実行できるトップでないと、すぐに世界に置いて行かれるかもしれませんね(゜◇゜)ガーン
もはや我が国だけで政治を行える立場にないですからね。
こんな大変な時期に、私たちは資質を持っている政治家に恵まれていると果たしていえるのでしょうか…。
紗那さんへ
黒田裕樹 > なるほど。。。
> いつまでも形式的なものにとらわれていては、実情に合わなくなってしまうんですね。
> 言われてみると、現代でも当てはまることがあるような気がします^^;
そうなんですよね。時代に流れに即した柔軟な対応が求められる政治。現代は果たしてどうでしょうか?
> しかし、こんな自業自得が待っているとは幕府も考えていなかったんでしょう。
確かに予想もしなかったことでしょう。しかし、予想に反したとしてもそれなりの対応策ができたはず。それをしなかった、あるいはできなかったのであれば、明らかに幕府の怠慢と言えるでしょうね。
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 江戸幕府が利用しようとした
> 朱子学
> それによって
> 困難をきした江戸幕府
> やはり 汚い手段は
> やがて 滅びますよね
因果はめぐる、といったところでしょうか。
利用しようとしたものが利用される愚かさは、幕府の資質にも原因があったのではないかと考えられますね。
.
智里 知識を得ることによって、本当に正しいのは無いか?を問われちゃったんですね。
重農主義って分かるな~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
士農工商って言葉があったくらいだから、やっぱ農家の方がいないと生活できませんからね。
智里さんへ
黒田裕樹 > 知識を得ることによって、本当に正しいのは無いか?を問われちゃったんですね。
学問というものは自然と追究していくものですから、その結果が矛盾をもたらしてしまったんですよね。考えてみれば恐ろしいものです。
> 重農主義って分かるな~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
> 士農工商って言葉があったくらいだから、やっぱ農家の方がいないと生活できませんからね。
農業は国の基本ですから、政策として重要なのは当然です。
しかしながら、時代がそれだけを許すことがなかったんですよね。朱子学の影響もあって、幕府がそれに気付けなかったことが悲劇をもたらしたのです。