私の講座を含めて、日本史を学習しようとする際には、我が国の出来事にこだわり過ぎることによって、ついつい忘れがちになってしまうものがあります。
答えは「世界史の流れ」です。日本史なのになぜ世界史が出てくるのか、と思う人々も多いかもしれませんが、日本史を理解しようと思えば、世界史の流れも同時に理解しなければ、その実像が見えてこないことがあるのです。
例えば、聖徳太子(しょうとくたいし)による遣隋使(けんずいし)にしても、当時の中国大陸が隋(ずい)によって約300年ぶりに統一されたことで、我が国を含む東アジアの諸国に緊張が走っていたこと、また隋と朝鮮半島の高句麗(こうくり)とが戦争中であり、隋が我が国に攻め込む余裕がなかったという現実があったからこそ、聖徳太子が小野妹子(おののいもこ)を通じて対等外交を目指した国書(こくしょ)を隋の煬帝(ようだい)に送りつけたことの真意(しんい)が理解できるのです。
ところで15世紀の末から秀吉が天下を統一した16世紀末頃の欧州(おうしゅう、ヨーロッパのこと)は、一般には大航海時代(だいこうかいじだい)と呼ばれています。
名前だけを見れば、大海原(おおうなばら)に新たな希望を見つけようとした開拓(かいたく)の時代という良い印象を受けるのですが、実はこの時代には、多くの人々が虐殺(ぎゃくさつ)されたという恐るべき側面が隠(かく)されているのです。




いつも有難うございます。
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伝次郎 大航海時代こちらも男のロマン的なイメージが強かったりしますね。
しかし、この時代にインカ、アステカ帝國が滅び、今の南米の言語を見れば分かる様に領土拡大、キリスト教の布教と広範囲に行われています。明もヨーロッパの近くまで船を出していますし。
以前NHKの「その時歴史が動いた」では戦国時代の宣教師は本国に「キリスト教を布教し日本を丸ごと変えることが可能である。」という公文書が出ていました。日本の中だけでこの時代は語っては解らない事がありそうですね。
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HANA子 よくネット上では、
「超時空太閤HIDEYOSI」
なんて名前が踊りますが、
これがまた韓国関連で何かと「それは秀吉のせいだ!」
と声が上がるからなんだそうです
400年以上復興できないほどの被害を朝鮮半島に行った秀吉なんだそうですが、
なぜそんなことをしたの?
と聞くと、それは秀吉が悪魔のような人物だったからとしか答えが返ってこないとか
さ、その「なぜ?」についての考察を楽しみにお待ちしております!
今晩は
りら とうとう世界史もですね
楽しみが増えました
聖徳太子の時代に世界外交は
始まっていたんですよね
伝次郎さんへ
黒田裕樹 仰るとおり、私たちは大航海時代の言葉だけのイメージに誤解させられているような気がしますね。
インカ帝国やアステカ帝国、あるいは宣教師などについては、今後の講座の中でご紹介できると思いますので、ぜひご覧下さい。
これからしばらく世界史の話が続きますので、よろしくお願いします。
HANA子さんへ
黒田裕樹 「超時空太閤HIDEYOSI」…。
凄い名前ですね(^^ゞ
それにしても、韓国の一般的な人々の話を聞けば、なぜ秀吉を悪魔扱いするのかをご本人たちも良く分かっていないのかもしれませんね。
> さ、その「なぜ?」についての考察を楽しみにお待ちしております!
ハイ、これからじっくりと解明していきますよ(^^♪
りらさんへ
黒田裕樹 > とうとう世界史もですね
> 楽しみが増えました
有難うございます(^^♪
これからしばらく世界史の話が続きます。
> 聖徳太子の時代に世界外交は
> 始まっていたんですよね
そうなんです。世界史との関連なくして、日本史を語ることはできないんですよね。
大河ドラマ「信長」
晴雨堂ミカエル 90年代前半に放送された緒形直人主演の大河ドラマ「信長」、NHKが脚色するとみな「善人」になってしまうのが憤懣でしたが、あれはなかなか面白く仕上がっていました。
今井宗久を前にして「大船つくりて南の国へおし渡り攻め取れば、我が名、南蛮まで知れ渡り、そち(今井)の商いも考え及ばぬほど膨らむであろう」と語る場面。
NHKドラマの主人公にしては異例の台詞でした。本能寺で暗殺される事が判っているので、脚本も遠慮なく書けたのでしょう。
信長は大航海時代に相応しい武将であり政治家でした。そして信長の家臣団の中で唯一信長の話についてゆけたのが秀吉だったのではないかと思っています。
その秀吉が基督教を弾圧した経緯や心情風景を詳しく知りたい気持ちです。
よく言われている事に、信長も用が済めば基督教を弾圧したにちがいない、という説がありますが、私は信長ならやらなかったのではないかと思えてならないのです。
ところで、「壬申倭乱」の件で黒田氏がご納得しなかった点は尤もな事と思います。歴史家の視点ですね。
ただ、時代劇は現代人が描いたフィクションで、原作者や脚本家の気持ちや意図も推理するのもフィクションの楽しみでもあります。
実は脚本家がインタビューに出演していて、「できるだけ韓日をイーブンに描くよう心がけた」と語っているのです。
つまり、秀吉だけがやる気まんまんに描写して、他の大名は加藤清正以外は侵略には乗気でなかったように描いただけでなく、小西行長を良心的な武将として登場させたのは、日本側への配慮です。
一般の韓国人なら、日本の武将たちを全員極悪人に描くでしょうし、それを期待します。
また韓国は東アジアの国の中ではキリスト教徒が多い事でも知られています。小西行長はキリスト教徒でした。これも関係あるでしょう。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
私は大河ドラマ「信長」を見てはいないのですが、そのような台詞が出てきたのであれば、先頃亡くなられた田向正健氏も「世界史の常識」を(偶然かもしれませんが)良くご存知だったのかもしれませんね。
仰るとおり、秀吉は信長の話を理解できたからこそ、後継者として天下を統一できただけでなく、海外への派兵も可能だったと考えております。もっとも、信長が生きていれば別の方角へ攻め込んだ可能性もありますが。
なお、私は信長の場合であっても、いつかはカトリックと決別し、弾圧していた可能性が高いと見ています。他の宗教が政治に関わった場合に徹底的に弾圧した信長の姿勢を間近で見て、カトリック側が「猫をかぶっていた」可能性が高いからです。いずれ講座の中で紹介しますが、秀吉が天下統一の事業を引き継いだ後にカトリックがその「本性」を現し、それゆえに秀吉が禁教に踏み切ったという「流れ」も間接的に証明しています。
ドキュメンタリーであっても製作者の思想が意図的に反映される昨今ですから、ましてやドラマ、しかも歴史的かつ政治的であれば、確かに脚色も仕方がない一面がありますね。
小西行長に仰るような設定がされているのであれば、それでもかなりの「譲歩」なのでしょう。
いずれ講座の中で明らかにしますが、こうした問題の根本は、歴史的事実に基づいた、本当の意味での「秀吉による侵略の対象」が果たしてどこであったか、ということなのです。
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けん爺ちゃん おはようございます(^o^)
いよいよ始まりましたね!
先生の仰るように日本史を知ると、
それが世界史の動向と密接な関わりを持つという
事柄が多いですよね。
実像に迫るには、木を見ず森を見るという
広い視点が求められるという事ですよね(^^)
朝鮮出兵の
今後の話の展開を楽しみにしてます☆
けん爺ちゃんさんへ
黒田裕樹 > いよいよ始まりましたね!
> 先生の仰るように日本史を知ると、
> それが世界史の動向と密接な関わりを持つという
> 事柄が多いですよね。
> 実像に迫るには、木を見ず森を見るという
> 広い視点が求められるという事ですよね(^^)
仰るとおりです(^^♪
国内の動向だけ見ていては、秀吉の真意は絶対に見えてきません。
今回の講座では世界史との関連が、いつもよりも色濃く反映することになります。
> 朝鮮出兵の
> 今後の話の展開を楽しみにしてます☆
有難うございます(^o^)丿
是非ご覧下さいね。