大航海時代の先頭に立っていたのは、早くから絶対主義の王国を形成していたイベリア半島の王国であるポルトガルとイスパニア(=スペイン)でした。両国は産業や貿易を保護して輸出を拡大し、国富(こくふ、ここでは国家の財産全体のこと)の増大を目指す重商主義に基づいて植民地の獲得に力を注ぎました。
1492年、イタリア人のコロンブスがイスパニアのイサベル女王の援助を受けて西廻(まわ)りで大西洋(たいせいよう)を横断して西インド諸島に到達すると、1498年にはポルトガル人のヴァスコ=ダ=ガマが東廻りでアフリカ大陸南端の喜望峰(きぼうほう)を経由してインドのカリカットに到着しました。
また、イスパニアの船隊を率いたポルトガル人のマゼランがアメリカ大陸の南端経由で太平洋に出て1521年にフィリピン諸島に到着すると、その後に船隊がさらに西進を続けて世界一周を果たしました。
なお、西インド諸島は現在のアメリカのフロリダ半島南端やキューバ、ドミニカ、ジャマイカ、バハマなどであり、インドとは全く関係がありません。にもかかわらず「西インド諸島」と名づけられたのは、コロンブスがこの地域をインドと誤解したからです。
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一方、イスパニアはアメリカ大陸に植民地を広げると、16世紀半ばには太平洋を横断して東アジアに進出し、フィリピン諸島を占領してルソン島のマニラを根拠地としました。要するにポルトガルは東廻りで、イスパニアは西廻りでそれぞれアジアに進出したことになります。
なお、ポルトガルやイスパニアがそれぞれアジアに進出した目的の一つにアジアの物産、特に香辛料(こうしんりょう)を直接手に入れることがありました。当時の香辛料にはクローブ・胡椒(コショウ)・ナツメグ・シナモンなどがあり、調味料や薬として使用されていました。
それまでヨーロッパ人はイスラームの商人を通じて香辛料などを入手していましたが、大変高価なものとなっていました。このため、自らが航海に出ることで香辛料を安く手に入れようと考えたのです。
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当時のイスパニアとポルトガルとの間には、15世紀末の1494年に大西洋を東西に分ける一本の線が引かれ、この線から東側で発見されるものはすべてポルトガルに、西側で発見されるものはすべてイスパニアに属するという取り決めがカトリックのローマ教皇(きょうこう)の承認によって結ばれました。これを「トルデシリャス条約」といいます。
地球をまるで饅頭(まんじゅう)を二つに割るかのような、ある意味とんでもない発想ですが、これは当時の白人至上主義による人種差別に基づく当然の思想でもありました。そして両国は条約の取り決めを守りながら着実に植民地化を進め、その過程で南アメリカ大陸西側にあったインカ帝国や、メキシコ中央部にあったアステカ帝国という二つの国が滅ぼされ、国民の生命や財産さらには文化が永遠に失われてしまうという悲劇が生じていたのです。
一方、当時の東アジア地域では、明が倭寇(わこう)の鎮圧や密貿易の禁止のために海禁政策をとっていましたが、実際には明以外にも我が国や朝鮮・琉球(りゅうきゅう)・安南(あんなん、現在のベトナム)などの人々が幅広く中継(なかつぎ)貿易を行っていました。ヨーロッパ人による東アジアの進出は、これらの中継貿易に参加することで莫大(ばくだい)な権益を得ようとする目的もあったのです。
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